第97話 告白(3)

「単刀直入にお聞きします。リョウマさん。お付き合いする、しないは別として、私達のことをどう、思っておられますか?・・・やっぱり濁すのはやめましょう。私達のことが好きですか?もちろん女性として。」


 ・・・答えるしか無いか。

 真剣な相手には真剣に。


「・・・この世界に来て、何もわからない僕に、君たちはとても良くしてくれた。そして、今となっては好意があったのもわかる。そんな相手を嫌えるはずがない・・・駄目だね濁しちゃ。多分好き、なんだと思う。それはシエイラも同じだ。でもその気持ちは、桜花には負けている。だからこのまま、君たちの気持ちに答えることは出来ない。」


 はっきりと言い切った僕に、リディアとグレイスは少しぎこちない笑顔で、


「そう仰ると思っていました。ですから私とグレイスは考えました。どうしたらリョウマさんの・・・私達の好きな人と一緒居られるかを。そして一つの結論を出しました。」


 リディアから強い意思を感じる・・・


「それは、一つはリョウマさんが私達を・・・今はシエイラもですね。もっと好きになっていただくこと。もう一つは・・・桜花さんに一緒にいる許可を頂くことです。」


 っ!!


「おそらくリョウマさんが感じている罪悪感は2つ。リョウマさんから桜花さんへの裏切りと感じる罪悪感。そしてもう一つは、桜花さんが感じるであろう悲しみに対しての罪悪感、ではないでしょうか。で、あれば、桜花さんが私達に納得をして頂けたら、後はリョウマさん次第となります。」


 う〜ん・・・桜花が納得するとは思えないけど・・・


「おそらくリョウマさんは、桜花さんが納得しない、と、お考えなのでは?桜花さんは一夫一妻の価値観の世界の方ですから。だから・・話し合いをしようと思います。女として、この気持をあるがままに伝えようと思います。」


 そこまでリディアが話したところで、グレイスも話に入ってきた。


「そう簡単にいかないのはわかっている。私だって女だ。独り占めしたいのは理解できる。だが、何もせず諦めるなんてできない。正面からぶつかって、やれることは全てやって、誠実に気持ちを伝えてからでないと、諦めきれない。」


「リョウマさん。どうかチャンスを頂けませんか?あなたの不利益になるようなことは致しません。それは桜花さんに会えた時にもご説明致します。リョウマさんは流されること無く誠実だったと。」


「リョウマ!頼む!!」


 そう言って二人は頭を下げた。

 

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