第72話 戦いを終えて
僕は、フェイルが消滅した後、すぐにジードの魂の封印をし直した。
その途端、ぐらりとくる。
やっぱり封印解除は、体への負担が大きいみたい。
多分、ジードの魂の放つ強大なパワーを、完全に受けとめられるくらいに強くならないと、身体への莫大な負担はなくならないんだろうなぁ。
本音はすぐに横になりたいけど、しかし、まだやることがある。
フェイルの忠告のとおりであれば、この教会の他の信徒は、地下のことはしらないはずだ。
教会に通じる地下通路を土魔法で埋め、この祭壇に来られないようにしておかないと、さっきの戦闘で地下に気づいた人が来ちゃうかもしれないからね。
一応、外で、大きな戦闘が起きていたから、それどころじゃなかったとは思うけど念には念をってね。
通路を埋めた後、祭壇にあった黒水晶をストレージに入れ、転移魔法で外に出た。
外も戦闘は終わっており、伯爵とリディアとグレイスが集まっていたので、僕も報告のために近寄っていった。
すると、僕に気がついたリディアが、
「リョウマさん!!」
と走ってきて、胸に飛び込んできた。
僕は、リディアを抱きとめ、
「全部終わったよ。怪我はない?」
と聞くと、リディアは、
「私もグレイスも大きな怪我はありません!それよりも、リョウマさんこそ、そんなにボロボロになって!お怪我は大丈夫なんですか!?」
と、聞いてきた。
服、ボロボロになっちゃったなあ・・・
今は、封印を解いた反動できついから、後で魔法で直しておかなきゃな・・・
「僕の怪我は、回復魔法で治療済みだから、見た目ほどじゃないよ。」
と言うと、同じように近寄ってきていたグレイスが、僕を後ろから抱きしめてきて、
「無事で良かった。遅かったから心配していたんだぞ。」
と言って、首元に顔をうずめてきた。
ちょっ!近いよ!何!?これが異世界流、感動表現なの!?
「あ・ありがとう。心配してくれてとても嬉しいよ。嬉しいんだけど・・・ちょっと離れてくれるともっと嬉しいんだけど・・・」
僕は真っ赤になった顔でそう言った。
だって恥ずかしいし!
僕が慣れているのは桜花なだけで、桜花だってこれほどの表現はあんまりしてこないんだ!童貞には荷が重いよ!!
「駄目です!心配させた罰です!」
「そうだぞリョウマ。あまんじて受けるがいい。」
ちょっと〜!!!!
いい匂いが・・・柔らかい感触が・・・あっ・・・やば・・・頭に血がまわり過ぎて意識が・・・
きゅう。
「あれ!?リョウマさん!?」
「リョウマ!?」
僕は、疲労と反動と恥ずかしさで気絶してしまうのでした。
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