第64話 教会下での戦い(1)

 

 フェイル司教の指示で、若い騎士が突っ込んできた。


 こいつ・・・舐めてんのか?

 明らかにニヤつきながら突っ込んでくる。


 多分、いたぶる気満々なんだろうな・・・だから、現実を見せてやることにしました。


 狙いはシールドバッシュだろう。


 盾を前に構えてチャージしてくる。


 だから僕は正面からぶち破る事にしました。


 立身中正からの半歩踏み込んでの右手突き。


 盾と右拳がぶつかって、轟音が鳴り響いた。


 勝ったのは僕で、騎士は2メートル位、弾き飛ばされてる。


 盾には、拳大の凹みが出来ていた。


 呆然としている騎士と、唖然としているフェイル司教達。


 ここは煽りの一手だろう。


「ちょっと、舐めてるの?僕がいた気配に、気づきもしない程度の腕前で、手加減とか(ニヤニヤ)。一人で大丈夫?二人で来たほうが良いんじゃないの?それでも神(笑)に仕える騎士なの?」


 この言葉に、もう一人の騎士も、青筋を立てているし、弾き飛ばされた騎士は、顔を真っ赤にし、僕を睨みつけている。


「いいかげん終わらせたいんだよね。さっさとかかってこい。」


 僕は右手の平をクイクイとした。


 この行動に、二人は切れたようで、二人して突っ込んできた。


 釣れた。


 でもまだ、こいつらは多分あれを持ってる。


 魔狂薬を。


 本気にさせた後に使わせて、どれくらい力が向上するか確認しなければ。


 そんな僕たちを、フェイルは厳しい目で見ている。


 せいぜい腹を立てていろ。


 すぐに絶望させて、自分達のしてきたことを懺悔させてやる。


 もっとも・・・その神もそのうち滅ぼしてやるんだけどね。



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