第四章 バルムス動乱篇

第38話 作戦会議の終了

 という感じかなあ。


 僕が、桜花との事を話すと、二人は何やらムスッとしていた。

 なんで?


「なるほど・・・これは強敵の匂いがします。」


と姫さん・・・もといリディアが言う。


 強敵って・・・


「そうですね。一度仲違いしているからこそ深くわかりあっている気がします。うむむ・・」


 グレイスは、そう言って難しい顔をしている。


 なんでさ・・・・


「まあ、桜花についてはそんなところ。元気にしてるといいけど・・・」


 僕がそう言うと、リディアが、不安そうな顔をして、


「・・・やはり、リョウマさんは、帰る方法が分かったら、帰るつもりですか?」


と聞いてきた。


 そりゃもちろん、


「帰るよ。もともとの目的だからね」


「そうですか・・・」


 リディアが寂しそうに言う。

 まあ気持ちはわかるよ。

 仲良くなった人との別れはつらいからね。


 すると、グレイスがぽつりと


「・・来た方法があるのだから、帰る方法もあるだろう。そうすると、行き来できれば・・・」

  

と言った。


 それを聞いたリディアが、喜色満面に、


「それよ!!どちらも行き来できればいいじゃない!」


と叫んだ。


 そりゃ、それができれば寂しくないけど・・・


「私も、一度リョウマさんの世界を、見てみたいもの。それがいいわ!それに・・・そうすればオウカさんとも・・・」


 ん?

 桜花?

 なんで桜花?


 僕がそう思っていると、


「リョウマさん!一緒に方法を探しましょう!どちらにしろ大変なのに変わりはないです。なら最善を目指しましょう!!」


「そうだな。微力ながら私も協力する。共に最善に向かおう。」


と、リディアとグレイスが言ってきた。


 まあそうだね。


 目標は高く持たなきゃね。


「さて、そうと決まれば、まずは目先の問題を解決して、早くお父様に報告しましょう!」


と、気合を入れて、両手ガッツポーズをするリディア。


 あらやだ可愛い。


 さて、まずは晩餐からかな。


 伯爵は何を知っているのか・・・

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