第88話 被害者の声
帰宅途中、通り魔に襲われて重傷を負った。昏睡状態から覚めて見たワイドショーでは、犯人の悲惨な生い立ちを説明していた。世間の同情の声は、全て犯人に注がれていた。なら、私は?事件以来、夜一人で出歩くのが怖くなり、普通の生活を送れなくなった私は一体何だと言うのだ?私の声に誰も答えない。
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