君は高嶺の花

桔梗 栞

第1話 : 呪い

あぁ やっぱ綺麗な横顔だな。授業中にも関わらずしっかりよそ見をしてしまっている。 私、神田梓は都内の高校に通う3年生だ。

そして、視線の先にいるのは神崎悠太。まぁ、視線の先と言っても隣の席なのだが。

神崎君は同じクラスで、運動神経が良く、所属しているバスケ部では部長も務めている。同性からも異性からも好かれるタイプで、俗に言う陽キャというやつだろう。


私なんかとは住む世界が違う。と言いたいところだが、正直に言って自分が陰気だとも思ってはいない。同性の友達はもとより、異性の友達だってたくさん居る。なんなら、多学年との交流も多く明るい人間なのではないかと我ながらに思う。一見、充実しているように見える私だが、恋愛に関して上手くいった試しがない。ということだけがマイナスポイントと言えるだろうか。自分でいうのも何だが、別にモテない訳ではない。物好きではあるなと思うが、私を好きだと言ってくれる人もいるし、自分に全く自信が無いわけではない。だがしかし、私が好きだと言った人とはいつも上手くいかない。何かの呪いなのだろうか。まぁ、ご察しの通りそんな私が今、熱を上げているのがこの神崎悠太なのだ。今のところ二人の関係には問題は無い。彼に彼女がいるということを除いては。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る