第3話 みなみ part2
僕はみなみの視線を感じながら、部屋着に着替えた。Tシャツにジャージ。女の子が部屋に来ているからってカッコつけることはない。お互い知った中だし、みなみだし、というかみなみが勝手にうちに上がり込んでいるだけできを使う必要はない。普段なら考えないようなことが頭の中でうごめいていた。さっき、顔の赤いみなみを見たからかな。
「そうだ。お母さんが今日の夕食はうちで食べなさいって。」
「 。」
「いいの。そんな気を使わなくて。これは強制ね。はい。さっさと宿題終わらせてあそぼ。」
いつもみなみは僕の話をあまり聞いてくれない。基本的にいつもみなみが自分の意見を押し切って、僕がそれに合わせつようなやりとりを生まれてこの方繰り返している。
「 。」
みなみに促されるがまま、宿題に取り掛かる。ちなみに、みなみは基本的に勉強ができない。その代わりに運動神経がいい。色々な部活に助っ人として入って、部員よりも活躍したりしている。それなのにどの部活にも所属していないのが不思議だ。
「ねえ、〇〇。ここわからない。」
ちゃぶ台に向かい合って座っているみなみが質問をしてきた。
「 。」
僕はその状態だと見にくかったので、みなみの隣に移動する。
「ちょっと。それ以上近づかないでよ。」
「 。」
「だって、学校から帰ってきてからシャワー浴びてないから臭いかもしれないじゃん。」
何を今更。いつもならそんなんこと気にせずに自分の膝の上に乗ってきたりするのに。
「 。」
「嘘だ。絶対に臭いもん。」
「 。」
僕は少し強引に近づく。みなみが匂いのことを言っていたので、少しだけ意識してしまう。自分の鼻腔に溜まった匂いは安心する優しい匂いだった。
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