第7話 特別編① 石巻貝さん達紹介ストーリー
「━、━━━━」
「あの、石巻貝さん、多分…ですが、あなたの口は小さく、何を言っているのか聞こえにくいので、よろしければ私が代わりに説明しましょうか?」
「━━━━?」
「えぇ、私、コリドラス探偵です」
「━━━━?━━━━、━━━━」
「石巻貝さん、ご安心を!えっ?信頼できない?それは…困りましたね」
「━━━━」
「そうですか、まぁ出来るもんならやってみろといった感じでしょうか?」
…という訳で、皆さんお久しぶりです。
この水槽で探偵をやっている、コリドラスです。
今、皆さんに一生懸命話しかけていたのは、水槽にくっついている事が多い、石巻貝さんです。
石巻貝さんは小さいお体で、水槽の中をゆっくりと移動されて、小さいお口をパクパクさせている姿も見られるそうです。
(飼い主さんからの情報も混じってますが…。)
ご興味が出てきたなら、一度、お手持ちの調べられる物から「石巻貝」と調べてみて下さい。
石巻貝さんは、水槽のガラス面にくっついている姿をよく私も目にします。
ミナミヌマエビさん同様、「お掃除屋さん」とも言われているらしいですね。
働き者の貝さんです。
石巻貝さんのガラス面にくっついている方は、飼い主さんしか見る事が出来ないので、私コリドラスは、ちょっと飼い主さんが羨ましいです。
石巻貝さんのお顔を見れているわけですから。
「━━━━━、━━━━」
「えっあぁ、すいません」
…えーっと、それでは、今回はそんな石巻貝さんと一緒に、探偵コリドラスのダダちゃん!事件解決!大活躍しちゃいますよー!
今回、石巻貝さんのご依頼は、他の水槽にいる石巻貝さんの事が気になるようです。
石巻貝さんからの話を聞く限り、同じ場所から来たようで、何匹か一緒だったようなのですが、どんどんと仲間の気配が消えてってしまったようです。
それで、なぜなのか調査して欲しいのと、他の石巻貝さんはどうしているのかと、心配しているらしいのです。
「えっ、なんでしょう?ご不満ですか?えっ?勝手に事件にしないで、石巻貝達はひっくり返ったままだと、直ぐに死んでしまうからしょうがないの!事件じゃないのって、そんな!事件みたいに扱った方が、私としても俄然やる気と雰囲気が…」
…怒られてしまいました。
その結果、石巻貝さんは自分で何とかすると、仰っておりますので、私の出番がこれで終わってしまいそうです。
今回こそ、事件かと思ったのですが…事件では無かったんですね。
ダダちゃん、寂しいです。
【水槽①】
皆さん、こんにちは、私は石巻貝の「石」です。先程は、私の話が聞こえなかったようで、申し訳ありません。
今回は特別に私達、石巻貝が水槽内を案内しようと思います。
題して『水槽内のお掃除屋さんは、ミナミヌマエビさんだけじゃない!私達石巻貝だって頑張っているよ!』というタイトルのスペシャル ストーリーをお届けします!
皆様は「石巻貝」と聞いてどんな姿を浮かべるのでしょうか?
石巻貝という名前の私達は、巻貝ですので貝殻をかぶり、のそのそと進みます。
石巻貝はおもに水槽にくっついていますが、ソイルの上をのそのそしている時、オブジェクトの上をのそのそ、葉っぱの上をのそのそと、結構至る所にいます。
餌を求めて水槽のガラス面にくっついて、もしゃもしゃしているので、見かけたらきっと私達の口元が見えると思います。
その時は、歯もよく見てみて下さい、それに触覚もあるんですよ!
お食事しながら、のそのそ動いてる時がほとんどですが、中には下へ落ちてひっくり返ったまま、戻れないので、そのまま死んでしまう事はよくあります。
ひっくり返った時は、飼い主さんに気付いてもらえれば、直してもらえるのですが、なかなかそれも難しく…息絶える仲間を何匹も見てきました。
もしも水槽に貝殻が転がっていたら、それは生きていれば動きますが、死んだ者はそのまま貝殻が転がっている状態になっています。
しかし、寿命を全うする者もいます。
それぞれの運命ってやつですね。
生き物というものは、しょうがない事です。
悲しい話ですが…。
話を変えましょうか、私はコリドラスさんと沢山のミナミヌマエビさん達と暮らしています。
ミナミヌマエビさんが私の上に乗って、私と移動している時がたまにあります。
それについては何も思わないのですが、コリドラスさんは、泳いだりソイルの中にある餌を探したりする時、ミナミヌマエビさんを蹴散らしてしまったりと、随分乱暴な気がします。
私にぶつかりそうになっている時もありますし!まったく!
ミナミヌマエビさんは、私と同様、水槽内のお掃除屋さんと呼ばれているらしいですね。
お互い様ですね。
おっと、私はこの辺にして、他の仲間の情報を集めたいと思います。
この水槽以外にも、石巻貝はいますから、その方たちが元気なのか気になります。
では、この辺で!
第7話 終わり
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