第3話 本当に事件が起きた?
皆様、こんにちは、コリドラス探偵のダダちゃんです。
いやー、水槽内って結構、事件が頻繁に起きているように見えますが、そうでもないんですね。
暇な日常を過ごしています。
探偵として、忙しい日々を送る私の姿を想像していたんですが、どうやら現実はそう、うまく行きませんね。
私の知る限りでは、探偵という職業は、あちこち水槽内を泳ぎ回るイメージだったんですが…。
しかし、平和が一番なのかもしれませんが、私も探偵になったからには、こう、ちょっと動いた先に事件と遭、ぐぅうううううう!
皆様!ずぃけんです!すい、水槽内で、ず、じ、事件はっちぇい…、発生です!
…すみません、私としたことが冷静さを失って言葉が乱れてしまいました。
早速、私の出番ですね!
皆様、ミナミヌマエビさんの死骸を見つけました。
今、私の所にありますが、水槽内に死骸が転がる事はよくあります。
しかし、この死骸は頭部が無くなっているのです…。
体だけになってしまったミナミヌマエビさんの無念を晴らしたいですね、では、そこで私の餌を食べているミナミヌマエビさんに話を聞いてみましょう。
「お食事中にすいません、あなたはいつからここに?」
「あぁ?誰だテメー!」
「私、コリドラス探偵のダダちゃんという者です!」
「あぁ?コリドラスってナマズじゃねーのかよ、なんだよ、たんていって」
「えぇ、あの職業が探偵で…」
「ごちゃごちゃうるせーなー、今、オレは餌くってんだよ、邪魔すんな!それに、これからエビ美とデートすんだよ、遅れたりして、エビ美の機嫌損ねたら大変なんだよ!」
「そうですか、お邪魔してすいませんでした」
「ったくよー、マジ勘弁だわ」
そう言って、エビさんはピョンと飛んでってしまいました。
聞き込み失敗ですね。
しょうがないので、今ここにある死骸を調べてみるとしますか…。
この水槽内にいる、ミナミヌマエビさんは皆、赤い色をしています。
しかし、この死骸はさらに赤くなっています、死因は寿命が一番当てはまりますが、問題は頭部が無い事です。
さて、問題の頭部はどこにあるのでしょうか…。
謎は深まるばかりです…。
おっと、ぼーっとしていましたね、すいません。
泳ごうと思いますが、上では水草の根っこにくっついているエビさんが沢山いますね、泳いでるエビさんが二匹いますね、あれは先ほどのエビさんでしょうか?
誰かを追いかけていますね、追いかけられている方が、先程の彼が、おっしゃっていた「エビミ」という方でしょうか…。
エビさん達は、エビさんの中で名前を決めているそうですね、ヌマさんもエビ仲間からそう呼ばれていると言ってましたし、エビさん達はそうして個体を名前で呼び合っているのですね、私も、いつか「探偵さん」と呼んでほしいものです。
第3話 終わり
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