第7話 色々されると、困るんですけど
彼の世の月はとても大きい、昼間の太陽より大きく見える。
目が
どこを中心に座るわけでもなく、オーナーを話の中心にして
今後についての作戦会議の様な
輪転の腕輪での通話? は彼の世の夜しか使えないらしく
彼の世の
日が落ちたら俺たちが、連絡するといった
目下の目標はコンタクトの取れる、
植物や彼の世の生き物を
自分たちが狩られる側になりかねない、それじゃ常に危険が付き
安全な彼の世人の
ぶっちゃけ"聖者を彼の世人に守らせる"というのが目的だと言い直した。
この条件をクリア出来ないと、
輪転の腕輪で出来ることも、
なんでも作ったのはセバスチャンの祖先で、斯の地で作ったらしい。
腕輪の
使うにあたっては使用者の魔力に
今はミシンさんを
腕輪での通話は相手が見えなくても話せるから、
俺とミシンさんの間でも通話できるらしい。
使い方は腕輪を
受けるのは単純で、ただ腕輪に触れれば良いとの事。
今みたいに複数で通話する時は"オープン・コール"と唱えると
全ての腕輪に発信される、と言っても輪転の腕輪は、
この世に三本しか無いとの事、つまり今の状態。
なんでも一本作るのに大量の
それから彼の世の言葉が通じるよう、
ただ技術が800年以上前の物で、多少言語が変化してると思うから
翻訳された言葉をよく理解して、腕輪に
800年前はまだ鎌倉時代なんだし、
想像してみたが
途中ボソッとミシンさんが"コンニャク"と言ったのは聞き逃さなかった。
いまできる事として時計がズレて、時間の感覚が分からないと話をしたら、
渡った場所と日本との
さすがに秒まで合わせることは出来ないが、やっと時間を気にすることが出来る。
…でも時差がないのになんで、時計ズレたんスかね?…
…おそらくオドのせいね、彼の世はオドで支えられてるから…
…、オド? って何ですか? さっき言ってた魔力の事ですか?…
…魔力とは違うのよね、斯の地にも少なからず魔力があるし、
輪転の腕輪は魔力で作られてるけど、腕輪にオドは無いってセバスが言ってたわ
オドは彼の世にしか存在しない力の性質というか、、
、んう~ん~彼の世の
その
…例えば、そうだな~ 輪転の腕輪使った?…
…使った? っていうか、ミシンさんが使ったみたいですけど、
あの瞬間的に体入れ替える、"リプレイス"ってヤツですよね?…
チラッとミシンさんを見たが、反応は無い。
…ワァーオ!? 凄い! 使えたんだ? どんな感じだった?…
…どんな感じって、、空? を落ちてたのに、いきなり地面にいただけで
使ったって感覚はなかったですよ、、…
…"リプレイス"は魔力で発動してるけど、過程にはオドの力が働いてる、
ん~体験しないと、ちゃんと説明できないわ、でも見れる
、やっぱ
そう言うとオーナーは
オド、、オドメーターだと、バイクとか車の距離
スピードメーターに付いてる、何キロ走ったみたいな。
…、まっいっか! いま考える事じゃないわ…
…
…
オーナーも説明が面倒なのか、完全にふざけた言い方してるし。
まぁ俺が今体験してる事を
「オドはある、無かったらキン死んでた」
ミシンさんへ
肩をすくめて、両膝を強く抱えていた。
…ミシンちゃんは、どんな感じだった?…
…体が吸われる感覚、物の交差する点が見えて、そこを通る感じ
輪転の腕輪は時間の無い空間に、入り込む感じがした…
…なんとも
あごを少し引き、すくめた肩は今一度上がった。
…多分、
、赤く
なんだか二人の会話が重い、俺だけ
…、んっ分かった、、、いいわ、それも徐々に慣れていくでしょ
それまでは大変かも知れないけど、お願いね、…
…、、はい、、…
ミシンさんはチラッと俺を見た。
…って事で千代田君はミシンちゃんを、
ミシンちゃんには体力的に、
ヘンテコ知識と
優しさが一番の武器になるって事も、あるんだからね?…
ミシンさんが膝を抱えたまま、おーって左手を挙げてる。
甘やかすって現状が
具体的になんだ?とか聞いちゃダメなんだろうな。
…、、出来る限りで、としか、…
…うん! それでいい、急ぐことはないわ出来ることでね…
時計は22時40分を指している。
…さっ、二人とも疲れたでしょ? 今日は休んで明日に備えなさい
水の調達も大事だけど、明日には食料も見つけないとね…
…分かりました、それじゃまた明日の日没後、、…
…ん、それじゃあね、、…
コッンッと音が鳴り、会話が
二人きりの空間に不安が押し寄せる。
気付かなかったが、昼間の暑さはなく肌寒く感じてきた。
俺は頭に巻いていたシャツを
、そっか、、ゴメン膝抱えてたのは、、、
ミシンさんにそうっと近づき腰に下げていた
ジャケットを渡そうとするが、ミシンさんは首を横に振った。
「大丈夫、平気、キンが着たらいい」
そう言うよな。
「、俺も平気」
ミシンさんのすくんだ狭い肩に、色気のないジャケットを掛けた。
背中に砂が付いてて
ミシンさんごと
そのままにした。
「ちょっと、くさい、、、ありがと」
「、なんか、悪い、、、ありがとな」
俺はミシンさんとの距離を少し取り。
砂に顔を付けないよう自分の腕を枕にして、
体をくの字にし横になった。
それは何とも言えない、遠いやり取りだった。
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
、、、だよな~ハハハッ! お前そういうとこが悪いんだよ!」
「そもそもさ~興味なかったら、
「んなもん、わかんねーじゃねえか?
人は何かを知る
人の興味ってのは無限の
興味ってのは生きる
見も知らぬ不審者が、もしかしたら面白い奴かも知れないだろ?」
「それ俺の事?、そうなのか~、、、でも、、
-ッパチッ、、パチッ、ピシッッ―
炎に揺れる影が木々に当たって、なにかの
誰だ? 悪い人じゃないだろうけど、なにか
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「キン、そろそろ起きて、、」
、、? もうそんな時間か? いや辺りは真っ暗だ。
ミシンさんに渡したはずの、ジャケットは俺の腰辺りに掛けられている。
時計のバックライトですら、
"2時48分"横になってから4時間は経っていない。
「まだ早いよ、もう少しして、、か、ら、、」
ミシンさんは俺の腰の辺りを
「夜起こすって言った、早く起きて」
んんん~そんな事言ったっけ? この下で夜を越すっ、、、飛び起きた!
「ミシンさん"夜を越す"んじゃなくて"夜起こす"なの?
なんでこの時間? って言うか寝てないんですか?」
飛び起き、ドォっと話し始める俺にビックリしたのか、
ペタンとアヒル座りになった。
月明りが横顔に
「少し寝た、
なるほど、、ん~正しいか? 残りのカヨウの量も気になる、
夜の方が水分補給も少なくて、済みそうだし。
日が高くなったら日陰を見つけて、
それに腹は減ってるが、目標もない月明りでの移動は不安がある。
「たぶん十数キロ先に
生き物のオ、、魔力でそれを感じる、
キンのペースで歩いても、七時間くらいで着くと思う」
いま
オドってのが何だか分らないが、ただミシンさんの自信は本物かな。
「早いうちに、この世界の住人に
うん、行こう、案内は
一つコクンと
俺も立ち上がるが、寝起きでフラっとした。
ミシンさんが、俺をチラッと見たのが分かる。
、だらしないな、今日は始まったばかりなのに。
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