HMC-002 - 鬼族

【登録番号】HMC-002

【妖姫通称】鬼/鬼姫(女性の鬼に対する呼称)

【親和性】レベル3

 このレベルの妖姫は、その多くが人間社会の中に紛れ込んで暮らしています。そうでない場合でも、人間に対して敵対的になることは殆どありません。見た目や身体的な機能が人間と異なるだけで、感情面においては普通の異性と同じように考えていただいて構いません。


【外観】

 頭部にある角以外は、基本的に人間の女性と変わりません。

 

【説明】

 鬼族はそれほど珍しい存在ではなく、帝国においても鬼族は妖異とは見做されていません。ただし彼らの中でも人間に敵対行動をとるものや集団については妖異指定される場合があります。


 身体的能力が非常に高い点を除けば人間と同じように考えていただいて構いません。ただしその膂力の尋常ではない強さについては十分注意を払うべきです。見た目が小さな鬼であったとしても、十分に鍛えた人間を大怪我させられることを忘れないようにしてください。


 人里に暮らしている鬼族については、人との関わり合いのなかで力の入れ加減を十分に把握していることがほとんどなので、そうした鬼姫とのお付き合いにおいては不用意に怪我をさせられるようなことはありません。しかし、山奥などに暮らす人との接触機会が少ない鬼族の場合には、そうした加減が身についていないことがあるため、接触の初期段階においては十分な注意するように心がけてください。


 恋愛面においては、人間的な表現を借りればかなり《純情》な部類です。特に山鬼系は変に擦れておらず、あなたが真摯に恋愛感情を向ければ、思いがけず簡単に口説き落とすことができるかもしれません。ハイキング中に鬼姫と遭遇した男性が、チョコレート三枚で鬼姫を落として結婚まで到ったという例もあるようです。


 このように鬼姫を口説き落とすのはチョロいのですが、鬼族は全般的に貞操観念と一族の結束が非常に強く、お付き合いが始まった後は大変な事態になってしまうことを覚悟しておく必要があります。致すまではチョロいのですが、そこから抜け出そうという場合には、文字通り自身の命を引き換えにするしかありません。山鬼や川鬼のように特定の地域から出ることがない一族であれば、その地域から遠く離れることで難を逃れることができるかもしれません。ただし、二度とその地域に近づくことはできなくなるでしょう。


 一般的に鬼族は一度結ばれた相手が浮気に走るのを『絶対』に許しません。結ばれた相手とは。この例外が発生するのは相手が死亡した場合に限られます。また鬼姫と結ばれるには彼女の両親と兄弟姉妹に対して、自分が鬼姫の相手に相応しい存在であることを証明する必要があります。それは大抵の場合、与えられた『試練』をクリアするということが条件となります。与えられる試練については、交渉するチャンスを与えられるはずですので、自分が人間であるという特性、これは鬼族では一般的にマイナス評価になる要素ですが――それを最大限に生かして交渉に望むと良いでしょう。


【エピソード】

 妖異の潜む沼に不用意に近づいてしまった旅行者を、ある鬼姫が救ったことをきっかけに恋愛が進展し、めでたく結婚したという実例があります。

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