38~39

物申す系は確かにマイナスイメージが強く、一部不評だ。


ただ、アリアちゃんが見せた炎上の時の救ったあの姿をうまく引き出したい。


しっかりとアリアちゃんの意見を言う場所が必要だ。


 


あの時の凛々しい姿のアリアちゃんは絶対に強み。


雑談では、あんなに意見を堂々と言えないし、凛々しくなる場面なんて皆無だ。


 


どうすればいいんだ。


このまま、強みを一つ捨てていいのかな・・・


 


こういった時は、切り抜きを見ていこうか。


水饅頭さんが面白いと思った物をピックアップ出来事だもんね。


切り抜き動画を再生数に並び替えるか。


 


やはり、一番は炎上した時の釈明動画か。


10万再生とか、バケモンなのよ。


 


次はファンタジーソードか。


伸びている動画は5万再生と伸びている。


一番低くて、3万再生か。


ファンタジーソードは数字を伸ばす以外褒めるところがないクソゲーだ。


アリアちゃんが最初に伸び始めた原因だ。


正直、かっこいい伸び方をしたかった・・・


伸びているだけありがたいからそれ以上文句は言わないけどさ。


 


ファンタジーソードのエリアが終わると、2000再生と少なくなっている。


最近上げた奴は、600再生と少ない(炎上バブルに乗り切れていないし、しょうがないか)。


 


なんとなく眺めていたら・・・


『失恋したリスナーをなぐさめるアリア様』


 


懐かしいわw


これさ、かなり初期のやつじゃん。


思わず、懐かしさで吹き出してしまったわ。


 


何かのヒントになりそうだし、見直してみようかな。


再生数は4032


意外に伸びているじゃん。見てみるか。


 


 


――――――――――――


 


毎回思うんだけどさ、字幕センスがすごくいいんだけどさ。


水饅頭さんはできる人だと分かるわ。


画面は、マリモ64をプレイしている。


暗い洞窟の中の入り江で、海賊の財宝などありそうな神秘的な雰囲気を醸し出しているステージにいる。


ここの神秘的な雰囲気が神過ぎて好きだわ。


懐古厨の血が騒ぐわ。


それより、本編を見ていこうか。


 


にゃんにゃん丸:1か月前に付き合っていた彼女がいたんですけど、海のデートで振られたんですよね。この時の思いが忘れきれないです。


 


「なんで、振られたの?」


アリアちゃんの真剣に考えている姿とBGMがいい感じにかみ合っていて見ごたえがあるわ。


 


にゃんにゃん丸:分からないです。突然言われてしまって、頭が真っ白になったんです。


 


「なるほどね。新しい女でも作りなさいというのも野暮かもしれないわ。


よりを戻したいとあなたは願っているのね。」


アリアちゃんは、気を遣っている言葉を選んでいる。


まじで、気遣っているアリアちゃんかわいいわ。マジで天使だわ。


 


にゃんにゃん丸:そうです。自分でも分かっているつもりなんですけど、振られた理由が聞けないんですよ。


 


「いきなり聞けというのは難しいよね。


私は傍若無人ってことは認めているけど。臆病者なの。」


アリアは、声が震えていた。


どうやら、アリアは自分が臆病という事実を口に出していうことに


相当な勇気を出していたみたいだ。


 


「常に恐怖と闘っているの。今日の配信もコメント0だったら、配信できるか不安だったし。


雑談配信で視聴者数0だったら虚無配信になっちゃうし、実際にゲーム配信にさせてもらっているしね。


恐怖があるから、勇気という反対の言葉があるの。」


アリアはおびえつつも大きな何かと闘おうとしている姿。


これは、感動してしまう。


 


にゃんにゃん丸:ありがとうございます。私も恐怖と闘ってみますね。


明日、振られた理由を聞いてみようと思います。


 


「砕けたらここに来なさいよ。


ヴァーチャルの世界でなら、愚痴こぼしていいからさ。」


ぎこちなく笑ってアリアちゃんは答えている。


 


やばい。最後のセリフもいいわ。


普段笑い慣れていないアリアちゃんが必死に笑おうとしているの。


まじで、すこなんですけど。


 


 


――――――――――――――――


 


切り抜きを見ていて、アリアちゃんの凛々しさに感動してしまった。


こういうのを親バカというのだろうか。


 


この瞬間、私は、はっとした。


これだ。今、私が求めていたものは・・・


アリアちゃんの堂々とした姿を引き出すのは、物申すより悩み相談か。


悩み相談系をちょくちょく上げているYOUTUBERはいるが。


それをメインに戦っているYOUTUBERはいない。


需要は間違いなくある。


ラジオ番組でもお悩み相談のコーナーを立ち上げているし、マルコ・リラックスの意見も悩み相談からだ。


 


マルコ・リラックスが理想像だから、より近づいたのではないか。


YOUTUBEという狭い箱に洗脳されていたわ。


 


斬新すぎる企画というのは言い過ぎだが。こういう企画をメインで戦っているVはいないから。


不安しかない・・・


だが、新規の需要を開拓できれば、創始者としての知名度が高くなる。


実際に、アリアちゃんはクソゲー版では一番有名な個人勢Vになっている。


クソゲー界という誰も耕していない土地を耕したわけだから、クソゲーでの第一人者となっている。


 


何度でも立ち上がっていくのが、気が弱い私の成り上がりだ。


悩み相談が滑ったら、別の企画で戦おう。


100発やって100発外して当たり前で、10000発やらないと変わらないんだ。


 


 


 


 


 


第3皇女~スタンフォード・アリア~@Aria₋Stanford


:返信先@V₋Enjo.ch


第3皇女~スタンフォード・アリア~よ。


悩み相談を行っていくわ。


メールに送って頂戴。


分かっていると思うけど。


配信のネタで扱うから、配信に載っていいことが前提ね。


 


https://www.youtube.com/watch?v=THfafdgtrJmscDLdV


 


♲34    ❤76


 


 


 


 


第3皇女~スタンフォード・アリア~@Aria₋Stanford


:返信先@V₋Enjo.ch


第3皇女~スタンフォード・アリア~よ。


今宵、悩み相談を行っていくわ。


あんたたちの悩みをサクッと解決するわ


 


https://www.youtube.com/watch?v=THfafdgtrJmscDLdV


♲34    ❤76


 


2通ほど来たが、片方は何を考えてこの文を打ったのだろうかと疑問視を浮かべるほどのネタメールである。


今回は真面目にやりたいから、真面目系のやつ取り上げるわ。


そのやばいメールは次回に回すわ。


 


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 


「ごきげんよう。下僕の皆様。第3皇女 スタンフォード・アリア様よ


悩み相談していくわ」


高貴で傲慢なアリアはいつものように挨拶をしている。


 


収束した週末に終末した:悩み相談とか昔のラジオみたいだわ


水饅頭:悩み放送とはめずらしい


ライトニング坂田えもん:アリアちゃんすごいなw


勝負名人:新しい路線だね。


アルファ:面白そうだわ


鳥の惑星 ~ギョギョトラス~:新路線で草


クソゲーマニア:すごいなw


甘味民 民です:どんな悩みをかかえているのだろうか。


ドラゴン先輩:楽しみだわ


ソードマスター大ちゃん:誰だろうかw


メンタルブレイクサタン:こういうのどういう悩みか気になります。


野田係長補佐の紋次郎:アリアちゃんなりの解決法を待っています。


 


「早速読んでいくわ


許可はもちろんもらったから大丈夫よ」


許可ももらったし、この配信に来るといっていた。


名前も公開OKとのこと。


 


 


 


FROM 龍使い エキドナのへそさん


件名:初めまして、アリア様。


悩み相談をおこなっていると、聞いたのでメールを送らせていただきました。


私の悩みというかですね。


すこし疑問です。


私は高校生をしているのですが・・・


テストで順位付けして、人間の価値を決めていることが嫌いです。


もちろん、それだけで人間の価値を決めていないことを理解しているつもりです。


 


人生というのは、いい大学に行って、大企業に勤めれば勝ち組という価値が強いです。


ただこの価値観を肯定したら、自分らしさがなくなり社会の歯車にのってしまう気がして嫌です。


 


洗脳された方がましな気がしてきました。


 


アリア様の意見を聞きたいです。


 


 


甘味民 民です:言葉抜けているけど、分かりみが深いわ。俺も、受験戦争という荒波に飲まれたわけだしさ。


ドラゴン先輩:こういう悩みは必要だと思う。大人になるってことだと思う。


ソードマスター大ちゃん:大人になるってこういうことだよね。


 


このメールは、文章がところどころ言葉不足であるが。


心に響くわ。


これは、高校生独特のモラトリアムだわ。


私も似たようなこと考えていたわ~。


私は、社会の一部に無理やり溶け込んだけどさ。


 


 


 


 


「なるほどね。


私には、難しい話だわ。


たぶん、あんたには届かないわ。」


アリアはすぐに諦めてしまった。


いや、この諦めこそがアリアの素直さを傲慢に演出しているように見える。


ここで分かるというのは、正直偽善者だと思う。


 


 


野田係長補佐の紋次郎:アリアちゃんに分かるはずがない。


勝負名人:分かるって言ったら、おかしいわ。


アルファ:アリア様は素直だわ。


 


 


「おそらく、楽でしょうね。


こういうレールに乗るのが。


それが、世間一般で言う大人ですもん。素晴らしいことだと思う。」


アリアは皮肉とか悪い実を込めていないことが伝わってくる。


だって、分からないから。


子どもだから、否定できない。


 


「ただね。こういうクソみたいなルールつくったのって。


偏差値とかそういうのが上の人が作ったものでしょう?


そのルールがすべて正しいと思うなら、いいんじゃない。


その正しいとかの価値観は、人それぞれだしね。


ただね。今のあんたたちの社会を見ても楽しいと思えないわ。


貧困層と富裕層の格差の拡大・シングルマザーの増大・虐待の数の増大・少子高齢化は間違いなく、そのお偉いさんが作ったルールによってできた問題よ」


 


 


野田係長補佐の紋次郎:アリアちゃんの言っていることは、完全に外れているとは言えないわ。


勝負名人:今の日本は明るくない。


アルファ:アリア様の言っていることは正しいです。


 


 


「その社会を壊したいなら、


レールから一部外れてもいいんじゃないかしら。


このクソみたいなルールに乗らないと生きていけないのはしょうがないから。


全てはずれろなんて言えないわ。」


 


 


「あんたみたいなやつがきっと社会を明るくしてくれると思うわ


その反骨精神だけ忘れないで。あんたが楽しい社会にすこしでも頑張って変えない。」


 


 


最後にアリアちゃんはその気持ちを認めてくれた。


アリアちゃんらしい返答だ。


この返答がYOUTUBEに受けるかはわからないが・・・


 

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