第15話・図書館

「でけー…。すげーキレーだな…。」

ファンタジーモノに登場しそうな洋館。恵翔けいといわく、ここが図書館らしい。人気ひとけが無いのにも関わらず、毎日掃除されていそうな外観に、オレは見惚みとれていた。

『確か、2階が資料館になっていて……って、大丈夫ですか?息を切らしている上に、ぼーっとしてるなんて。酸欠か何かですか?』

「ちっげーよ!ちょっと体力的にしんどいだけ!!」

『……普段運動していないのが悪いはずなんですけどね…?

健康の為にも、運動しないと。この歳で歩けなくなるとか嫌ですからねー?ホラ、階段ダッシュ!♪先行っててくださいねー!』









「あ"ー、疲れた…って、お前おせーよ!!」

『すみません。でも、休憩の時間が取れたでしょう?』

巨大な図書館の2階。そこは静寂が全てを支配していた。棚やテーブル、資料があるだけのそこは、酷く寂しい。人っ子ひとりいない、それが1番ピッタリな場所。

あるのはオレたちが存在している証と、外でやかましく騒ぐ蝉や、自然の声。

「いらっしゃいませ。ようこそ、田舎いなかの寂しい図書館へ。なにをお探しでしょうか、。」

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