会話78.プールでの休憩

「遊んだねぇ……ちょっと休憩~」


「濡れたまんまだと風邪引くから、ちゃんと拭けよー」


「うふふ、水も滴る良い女! どうオウカ、セクシー?」


「ポーズ取るな、胸を寄せるな。誘ってるのかお前は」


「誘ってるのよ? チュー」


「いいからほら。身体冷えるからこれ着とけ」


「わーい、ありがと。これって、オウカのパーカー?」


「プールからあがった時は寒いと思ってな、大き目で濡れてもいい奴持ってきた」


「……オウカの匂いがする」


「いや、洗濯したてだからアスカも知ってる匂いだろ」


「ノリ悪いなぁ。こーいうのは雰囲気が大事なの。私もオウカになんか持って来ればよかった」


「いや、アスカのパーカーは俺には小さいだろ……」


「おっきめだぶだぶのトレーナーなら、オウカも着れるでしょ?」


「あの可愛いやつか?」


「そう、可愛いやつ」


「アスカが着るなら可愛いけど、俺が着てもキモいだろ……」


「可愛いと思うんだけどなぁ?」


「いいから、大人しく着とけー」


「はーい。あれ? オウカは上着ないの?」


「あぁ、荷物になるから一着だけだよ持ってきたのは。タオルあるし」


「えー? それじゃあオウカが寒いじゃん」


「大丈夫だって。今日は天気も良いし、日差しもあってあったかいから」


「もー、ダメだよそうやって自分に無頓着なのは?」


「いや、こないだも先に風邪引いたのはアスカの方……」


「というわけで、えいっ☆」


「おわっ! いきなりくっつくなよ!」


「こーすれば二人ともあったかい! 肌と肌との密着だからね!」


「……」


「あれ? オウカどしたの? 黙って座り込んじゃって?」


「あの、アスカさん、流石にビキニでそれはヤバいです……感触が」


「……」


「……」


「もしかして、オウカのオウカが元気になっちゃった?」


「小声ありがとう。分かったなら離れて」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る