会話66.水着選び

「これどうかな? タンキニタイプのフリルついた奴」


「可愛いけど、胸のフリルがなんか可哀そうなことになってないか? あと動きにくそう」


「んー、可愛いと思うんだけど……。んじゃちょっと後ろ向いてて」


「あいよ」


「今日は着て行く水着を選ばないとねぇ」


「ジムはあくまで運動の場だからなぁ。それ用の水着ママさんから貰ったんだな?」


「うん、可愛いやつ色々だよ。あ、もーいいよぉ」


「あいよ」


「どうかな? 今度はオールインワンタイプってヤツ。完全にジム用だね」


「あ、いいんじゃないかそれ。露出も少ないし運動しやすそう。それで決まりじゃないか?」


「んー……」


「どしたアスカ、なんか不満気だけど」


「正直……あんまり可愛くないんだよね」


「運動するんだから可愛いも何も無いだろ……」


「分かってないなぁオウカは。どんな場でも少しでも可愛くなりたいんだよ女の子は」


「そんなもんか? んじゃ次かぁ」


「うん、脱ぐねぇ」


「いや、俺が後ろ向くまで待て。肩に手をかけるな」


「大事なところはサポーター付けてるから、平気かなって」


「俺が大丈夫じゃねえの。ちょっと待て」


「んじゃ後ろ向くね」


「アスカが後ろ向いても意味ねぇだろ!! 背中と尻が丸見えだわ!!」


「アハハー。それじゃオウカ後ろ向いててねぇ」


「んー、可愛さと機能性の両立かぁ。どうしてもジム用だと機能性重視だから……」


「いいよー、オウカこっち向いてー」


「あいよ……ってお前それ……うわ……」


「オウカの好きな競泳水着ー。どうかな? 泳ぎやすそうだけど」


「いや、却下で……」


「えー? なんでー?」


「エロすぎる」


「オウカがエロいだけじゃないの?」


「いや、それはヤバいから……。鏡見てみろ……」


「あー……確かにちょっと刺激強いかもね……」


「分かってくれたか」


「んじゃこれは、オウカの前だけ用と言うことで」


「止めてお願い」

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