会話67.ジムにて

「オウカー、お待たせー。どーお、この選んだ水着?」


「うん、似合ってる似合ってる」


「可愛い?」


「可愛い可愛い。そっちの方がジムには合ってるな」


「わーい、褒められたー。昨日色々着たもんねぇ。競泳水着、ワンピース、セパレート、スーツタイプ、タンキニ……。結局はこのワンピースのフィットネス水着に落ち着いたけど。露出低いからオウカ的には残念?」


「アスカさんや、人聞きの悪いことを言わないでくださいな。いつ残念がった俺が」


「競泳水着……」


「ノーコメントで」


「そう言えば、今日はジムのプールで泳ぐの? 私そんなに本格的に泳げないよ?」


「いや、今日はウォーキングだ。ここはウォーキング専門のコースがあるからな。何人か歩いてるだろ」


「ウォーキングか。楽そうでいいねぇ」


「アスカの場合はまずはジョギングする体力をウォーキングで付けないとな……正しいフォームでやんないとダメだぞ」


「そうなの? いつも学校から帰る時みたいに普通に歩くだけじゃ無いの?」


「違う違う。ちゃんと足を大股でしっかり広げて、水に肩までつかるくらい深くゆっくり歩くんだよ」


「そんな……オウカ……股を開けだなんて直接的すぎ……そういうのは二人っきりの時に……」


「周囲に人が居るからって小声でセクハラ止めろ。しかもそれ俺が最低な男じゃねえか」


「うーん、大きく足を広げ……ちょっと大げさに歩く感じかな?」


「そうだな。まぁ、お手本を見せるから後ろで見とけよ」


「え?! 二人で並んで歩くんじゃないの?!」


「なんでだよ」


「こう腕を組んで並んで水中ウォーキングするのかと……」


「難易度高いし危ないしやりにくいだけだから却下……。安全第一でちゃんとやるぞ」


「あーい、オウカせんせーよろしくおねがいしまーす」

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