会話42.返却

「テストが返ってきたよぉ。オウカのおかげで、かなり良い点取れましたー」


「おう、良かったな」


「頭撫でろー、良い子良い子しろー、ヨシヨシしろー、アスカちゃん頑張ったって褒めろー」


「後でな。つーか、アスカって中間頑張らないよな。中間ももっと頑張れよ」


「褒めろって言ったのにお小言言われた?!」


「いや、中間と期末に対する違いが不思議でさ」


「中間はほら、基本的にお休みの補習がないからねー」


「だから期末ほどには頑張らないのね……。もったいねぇなぁ、中間頑張ればもっと上行けるのに」


「モチベーションの問題もあるから……」


「モチベーションねぇ……」


「そ、モチベーション。期末はほら、夏休み補習になったらオウカと遊ぶ時間減っちゃうじゃない。赤点は流石にないけど、それでも万が一があるから頑張るの」


「確かにまぁ、一緒にいられる時間は減るよなぁ。まぁ、ずっと一緒ではないけど」


「さすがに夏休みの間もずっと一緒はねぇ……」


「まぁ、他の友達とも遊ぶしな」


「去年はお互いに求め合って、溺れて、ドロドロに爛れた日々を送っちゃったから反省しないと……」


「そうだな、お互いに最後の一個のアイスを求めて奪い合ったり、プールでアスカが足つって溺れかけたり、あまりにも暑くてお互い動けなくて汗でドロドロになる日々を過ごしてたな」


「ちっ……この程度じゃ動じないか……」


「何がしたいんだお前は」


「ま、とりあえず期末が良かったからいいのさー」


「うーん……。心配だなぁ」


「ほら、最終的にはオウカが養ってくれるから。私のわがままボディを好きにし放題!! やったねオウカ!!」


「俺を当てにするな」


「そだね。依存する関係は私も嫌だし。でもなー、中間はモチベがなー……」


「んー……例えば次の中間、俺より上の点取ったら何でも言う事聞くとかは……」


「言ったね?!」


「いやあの、例えばの話……」


「よっし!! 次の中間絶対にオウカより上の点取ってやる!!」


「いや、聞いてアスカ、例えばだから、例えばだから、ねぇ、聞いて、燃えてないで聞いて?」

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