会話29.チョコレート

「チョーコー! チョコレート食べたい!!」


「アスカくっつくなー。非常に柔らかいものが背中に触れて気持ちいいけど、暑い」


「オウカァ……アスカちゃんはチョコレートが食べたいのぉ……」


「甘えた声出すなよ……。まさぐるな!!」


「ついでに耳噛む?」


「やめて、お願い」


「ギブミーチョコー……」


「お前、甘いの苦手だけどチョコだけは好きだよな。ビター系とかあんまり甘くないのに限るけど」


「そうなのよぉ……そして私は今、しばらくぶりのチョコ食べたい期に入ってます」


「ほう」


「でも普段は食べないからチョコの備蓄は無いのです……」


「そうか」


「そして、オウカのその手にあるのは?」


「チョコだな。アーモンドチョコのビター、最後の一粒だな」


「あっ」


「……お口を開けてどうされましたかアスカさん?」


「あっ、あーっ。あーん☆」


「大きなお口を開けて、指差してどうしましたかアスカさん」


「ちょーらい」


「お前、歯並び綺麗だな。口の中ってこうなってるんだな……うん、虫歯は無いっぽい。あれ? ちょっと喉腫れてねぇ?」


「乙女の口の中マジマジ見ないでよ!! 恥ずかしいじゃない!」


「見せてきたのアスカだろ」


「そーじゃなくて、それちょーだい?」


「可愛く首を傾げてもダメ。最後の一粒なんだよコレ」


「むー……くれないならオウカが口に入れた瞬間に口移しで奪って」


「よーしアスカぁ、最後の一粒だけどあげるぞー。口開けろー」


「わーい、オウカ大好きー。遠慮しなくてもいいのにー」


「お前本気でやるだろ」


「私はいつでも本気の女☆」


「ほら、やるから……って人の指まで咥えるな!! 指舐めるな!! お前っやめっ……!!」


「ウフフ……ごちそうさまー、オウカァ♡」

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