会話19.一緒に

「オウカーオウカー、わたしらっていつまで一緒にお風呂に入ってたっけ?」


「えー? いつまで……いつまで……。なんでそんな話になったの?」


「んー。今日さぁ、友達と『いつまでお父さんと一緒にお風呂入ってた?』って話題になってね」


「うん」


「そういえば、私ってパパと一緒に入るより、オウカと一緒に入ってる方が多かったんじゃないかなって思いだして」


「……それ言ってないよな友達連中に?」


「あれ? 言っちゃダメだった?」


「どうりで今日、女子達から見られる目が変だったと思った……」


「まぁ、いいじゃない。んでさ、話は戻るけど一緒に入ってたのっていつまでだっけ?」


「確か小6。中学に入るから一緒に入るのは止めなさいって母ちゃん達に止められたろ。覚えてねーの?」


「あー、小6かぁ。確かに私の胸も割とでっかくなり始めてたもんねぇ。でもオウカはスケベだなー、周囲に止められるまで私の裸体を堪能してたなんて……」


「何言ってんだ。一緒に風呂入るの止められた時に一番抵抗したのアスカだろ」


「……え?」


「俺が一人で風呂入ってると必ず『私もオーちゃんと入るー!!』って、乱入してきてたろうが。忘れたのか?」


「えー……? えー? んー……? ……あれ?」


「こっちが恥ずかしいつってんのに、すっぽんぽんで構わず入ってきやがって……」


「……その節は大変に申し訳なく」


「謝らなくていいよ。そのたびにお前、お袋さんに怒られてたろ。んで、中学になる前に強制的に止めさせられた」


「そっかー……。さすがにこの話は友達にはできないなぁ」


「お前にも羞恥心ができてくれて、お父さん嬉しいよ」


「んじゃ、こんど乱入する時は水着を着て乱入するね。セクシー系と可愛い系どっちがいい?」


「前言撤回。もっと恥じらいを持て! 男の風呂に乱入するな!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る