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 ティナ・バレンスタイン

 

 『蒼薔薇』と呼ばれるスナフ王国出身の傭兵。

 旧暦時代の化学兵器であるプラズマ・カノンを搭載した従機ブラウ・ローゼを愛機とする。

 年齢は20歳 (聖華暦836年)

 

 物静かで儚げな雰囲気をもつ女性。

 常に冷静に物事を観察し、感情をあまり表に出さない。

 しかし、感情が希薄という訳ではない。

 実は心の中では感情の揺れ幅が大きく、様々な事にリアクションを取っているのだが、それを上手く表情に出せないだけだ。

 感情が無いのではなく、感情表現がヘタクソ。

 

 一見して冷たい印象を与えるが、心根は優しい女性。

 しかし、前述したように言葉足らずな部分が多いのでよく誤解されがち。

 全体的に物騒な発言が目立つ。

 感じた事をそのまま口にするので、失言や暴言も躊躇なく飛ぶ。


 かつて、母親の仇を討つために『ブルーローズ』というダンジョン探索チームに所属していた。

 その辺りのティナの過去はまた追々本編にて。

 



 ガルバス・ベゲッド

 

 元自由都市同盟軍の軍人で狙撃手。

 現在は帝国に住み、傭兵協会帝国支部に所属する傭兵として、爵位の低い下級貴族の用心棒紛いをしている。


 例え女子供や友人が相手であろうとも、それが仕事であれば躊躇なく殺すことのできる冷酷さをもっており、1100m超の精密狙撃をこなす腕前と合わせて同業者はもとより依頼者からすらも恐れられている。


 また、その仕事にそつはないが、大金を積まれればアッサリ鞍替えすることもあり、貴族などの雇い主たちからは嫌味も込めてヘルツィヒフレーダー(冷酷なコウモリ野郎)と呼ばれている。


 彼自身、人を殺す時に罪悪感を感じておらず、むしろ突然、隣の人間が殺された時、周りの人はどんな反応をするのかを見て楽しんでいる。

 時には、あえて標的の急所を外していたぶるなど、不必要に残酷な行為を行うことすらある。


 ガルバスがこのようになったのは、おそらく、その生い立ちが無関係ではない。

 彼は自由都市同盟の都市フェルティリジーロの貧困層出身であり、精神的にも追い詰められていた両親からは毎日虐待を受け愛を知ることなく、幼年期を過ごしていた。

 そして、軍に入隊できる歳になった日、ガルバスは自身の両親を殺して家に火を放つ。

 この時、すでに彼の心は壊れ切っており、両親を殺す事に一切の躊躇も動揺もなく、なんの感情の動きも、憎しみや怒りの感情すらも起きなかった。




 

 従機 ブラウ・ローゼ

 

 ティナ・バレンスタインが搭乗する従機。

 10歳の頃のティナが、ファースト・フロントのジャンク置き場に捨てられていたのを発見し、3年の月日を掛けて修復した機体。


 元々誰が乗っていたのか、何処で作られたのかも一切不明。

 余り見かけない形状をしているので、恐らくは何処かの機兵工房が作った特注の機体と思われる。


 発見時の状態は酷い物で、胴体と腰しか無かった。

 それからジャンクを漁り、町工場の工房を借りてティナが少しずつ修理していった。

 

 修復時に様々な従機のジャンクを寄せ集めて作った為、お世辞にもデキが良い機体とは言えない。

 しかし、「新しき深淵」の探索で得た様々なオーパーツによる改修が幾度も施され、今となっては既に従機という規格に収まらない機体となっている。


 ティナはこの機体を移動砲台と同一視していて、近接戦闘を行うのは最終手段のみとしている。

 基本的な運用法は後方からのプラズマ・カノンによる一撃必殺の長距離狙撃を行う事に特化している。

 



 機装兵 トゥルビネ

 

 魔導スラスターを効果的に運用するために機装兵シメオンをベースにして近代化改修されたアルカディア帝国の第六世代機兵。

 主な改修点は出力向上、軽量化、関節強化、魔導スラスターを使用した新たな兵装の装備である。

 

 この機体の最大の特徴は魔導スラスターを使用した狙撃銃「トゥールハンマー」にある。

 原理はスラスターを暴発させ、その爆風の運動エネルギーで弾を撃ち出すというシンプルなもの。

 600m以内であれば機兵の装甲を抜くことも可能とする非常に高い威力を持つ。

 従機が相手であれば、1000m離れていても十分なダメージを与える事が可能。

 

 しかし、一発撃つごとに狙撃銃に装着したスラスターパックの交換が必要となるためコストが高い。

 また、単発装填式のため連射性能も皆無である。

 以上の点で、非常に使い勝手が悪く量産されなかった武装だが、ガルバス・ベゲットは火力を気に入って愛用している。

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