『月下の晩餐』は私(公園の管理人)が同じ空間にいる誰かに語りかける形式のホラーです。語りだけです。具体的にその場で何が起こっているのか一切書いていません。おそらく、あえて細かい情報を読者に与えていないのでしょう。なにが起こったのか、想像する楽しみがあります。
「三日月と二十六夜が同時に現れる」って、表現はロマンチックですが実際はどうなんでしょうね。タイトルのせいで月以外の可能性も想像してしまいます。
怖い話というのはお化けがでてくる物語や人間を恐ろしく描いた作品ばかりと思っていましたが、『月下の晩餐』は世界観を味わうお話です。私は幻想的な魅力を感じました。