随筆 明日は良き日と信じて歩く
かさかさたろう
第1話 太陽を抱いて歩く人
目まぐるしく変化変化の連続の日が続いていくけれども、今日は今日とてといった感じか。
先日お会いした婦人は高らかに笑っていた。世相も混迷を極めているが決して皮相を嗤っているのではなかった。
戦後すぐの生まれの婦人はとにかく毎日が面白いと言っていた。
「好奇心」
これがあればどんな場所でもいくつになっても色々なものに感動し、面白く思い、そして、それから頭の中で思索をめぐらせてそれを更に深化させ、その上でできた果実をまた楽しむ。
お金ではない、そんな精神的な余裕、心のゆとり、心のオアシスを持つことが大事なのだと婦人は教えてくれたのである。
私はもうすぐ30になろうとしているが、その婦人は「友達」だと言って、正月にみかんを持ってきてくれた。なかなか変わった人だと思ったが、それはまあ自分もそうだから仕方あるまい。それにしても40も離れた友達を持つと人生観というのをまた見直す機会がいただけてるのだなと思う。
いつも朗らかなその人はきっと太陽を抱いて歩く人なのだと思う。空が曇っていようが雪が降ろうが嵐が来ようが、雲の上には太陽が厳然と輝いているのを忘れない人だ。
私もそうありたい。
私の新たな門出として、この話を書かせていただいた。
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