第11話 痛みの変換
ベルナのお仕置きは痛み八、快楽二の割合で行われた。どうしても痛みを軸にしてしまうと人は発狂する。適度の快楽は痛みを快感に変えさらなる調教が可能になる。
ブッラド家秘伝の快楽漬けの方法もあったのだが、痛みの割合を増やさないと浮気に当たりそうでそれは使わなかった。薬漬けも後遺症が怖いので使っていない。痛みを快楽に変える事を念頭に置いて調教を進めた。
ロープによる拘束での縄酔い、適度に縛ると血行が良くなり快楽に変換される。鞭攻め、馬用ではなく叩いた皮膚が破れない様に九条鞭を使用した。これなら皮膚への負担が少なく叩いた衝撃だけがベルナに伝わる。何故持ってるとか? とか思わないで欲しい。あらゆる事態に備えるのはブラッド家の家訓である。蝋攻め、火傷しないように高い位置から使用した。低温で溶けるロウソクが有れば使用したが、贅沢は言ってられない。浣腸、主に羞恥を与える為に使用した。羞恥が快楽になるのが目的ではなく、腸を責める拷問的な意味合いで使った。
色んな拷問を参考に死なないで痛みが発生するように頭を悩ませた。快楽を主軸にしてなかったら、ベルナは死んでいただろう。それほどの責め苦だ。後ろの処女は奪ってやったが、前は浮気に当たるだろうと止めて置いた。
「五日も掛かったが、堕ちたかな?」
「私は心までもお前には屈しない!」
「痛みを快感に変わるまで調教されても、まだ心は折れんか……。プライドの高い種族だな」
「痛みが快感に変わろうとも私の高潔な魂はお前には屈しない!」
「まあ、快楽の度合いを変えてやればすぐに堕ちると思うけどな」
「言ってろ」
調教に一日を浪費する訳にはいかない。これでも多忙な身だ。一緒にいないとイザベルの機嫌も悪くなる。
「水だけで粘るな、そろそろ食事がしたくなったか?」
「ここで死のうとも悔いはない!」
「そうか……」
ベルナの拘束を解いた。身体にはロープの後がクッキリと刻まれている。なかなか煽情的な姿だ。
「我慢比べは俺の負けだ。死なれたら寝覚めが悪い。寝れる時間などほとんどないがな……」
「ふん、イザベル様には指一本触れるなよ!」
「へいへい」
調教部屋と化した物置を出て行くベルナ。
「その体で何日持つか見物だな」
ベルナに聞こえない様に呟く。痛みが快感へと変化した人間が日常生活のちょっとした刺激に耐えることは難しい。脳内のスイッチが切り替わってしまったからだ。風呂に入った時の快楽は容赦なく脳内麻薬を分泌させるだろう。衣服を着る事も快楽なら、排せつの時も快楽。日常生活が様変わりした生活でどれだけ理性が持つか、それは数少ない長い人生での楽しみになるだろう。
堕ちたその時はブラッド家秘伝の快楽を与えてやろうと思う。これでも下半身は一滴も精を漏らしていない。それは俺のプライドだ。ただ単に快楽を求めるなら、こんなまっどろっこいまねはしない。とっとと処女をぶち破って快楽漬けにてやれば済む事だ。魂が堕ちたら、隷属を誓うなら、精をくれてやる。
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