10
次の目的地は武器庫だった。
ずらりと並んである武器たちは俺の世界でもよく見かけたようなものから、悪魔の世界で作られた、いわゆるデーモンテック製の武器が揃えられている。
俺は血まみれの鎧姿で、それらの武器を手に取り、動作を確認する。
どれも状態がいい。
今すぐ無茶な使い方をしても問題なさそうだ。
「驚いた、俺の世界のもあるぞ。これとか、これとか」
『ここに流していたやつらがいるのよ、今はもういないけど』
なるほど。
通りで大規模に武器がそろっているわけだ。
「ここで好きな武器を選んでいいのか……選びたい放題だな」
『それもあるけど、もう一つ、目的のものがあるの』
「……アーマーみたいなやつ?」
『残念だけど、直接的に力を与えるものじゃないわ。資料よ』
「資料?」
『悪魔改造の資料』
「それがあるとどうなるんだ?」
『あたしが、ようやく、あなたのために、最高の得物を用意できるようになるの』
声だけでもわかる、興奮気味なシィのそれに、俺は若干背筋を凍らせた。
まだ見ぬ彼女の危ない一面を垣間見たような気がした。
「とりあえず、片っ端から武器と弾薬を詰め込んでいく」
『資料はなるべく早くお願いするわ、気づかれて燃やされると大変なことになる』
「悪魔の世界でも、資料は紙、なんだな」
『電子情報なんて悪魔からすれば全部丸見えなのよ。秒で解析できる』
さらっととんでもないことを言ってのけるシィ。
俺はとんでもないところにケンカを買いに来てしまったらしい。
まあ、今更やめる気もないが。
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