アイドルユニットの相方が高校もクラスも一緒で度々ケンカが起きる

闇野ゆかい

第1話高校もクラスも一緒の相方

八奈見高校の入学式の朝。

俺、神影翔は新入生で水色のブレザーになれていない。

高校に到着して、掲示板にクラスの紙が貼ってある。

すぐに名前を見つけたが、一通り見ていると俺のクラスのとこに見覚えがある名前が書かれていた。

涼梨麻里奈という名前を見つけ、もしやあいつじゃないよなと、思いながら校舎に入り、廊下を歩いていると通りすぎようとした女子が顔を確認してきた。

女子は、小さく呟き謝ってきた。

「イケメンだぁ。気を悪くしましたよね、ごめんなさい。つい、気になって」

「......はぁ」

女子は駆け出し、教室に入っていく。

クラスメートなんだ、この人。

教室に脚を踏み入れ、黒板に貼られている座席表の紙を確認する。

教室には数人しかいない。

椅子に腰をおろし、スクールバッグを机に置き、スマホを弄る俺。


教室に入ってきた担任が挨拶を始める。

俺は、聞き流しながら、脳内でダンスのイメトレをしていた。

「──げくん、神影くん。聞いてるの」

呼ばれていることに気付き、顔をあげると担任が眉をひそめていた。


体育館で入学式が行われた。

入学式終了後、教室に戻り、グラウンド側の席に座る生徒から自己紹介が始まる。


「涼梨麻里奈です。趣味は読書と音楽鑑賞です。仲よくしてくれると嬉しいです」

取り繕った明るい声で涼梨は端的な自己紹介をし、すぐに後ろの女子の自己紹介に移る。

俺とアイドルユニットを組んでいる相方、涼梨麻里奈が同じ高校に通い、クラスも一緒で、うまくやれるか自信がない。


自己紹介を終え、昼過ぎに解散になった。



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