選んで、買って。

一色 サラ

第1話 。。。

 普段あまり来ない、少し混み合ったデパート館内は、迷路に迷い込んだよで、周りを見渡してしまう。平日にも関わらず、親子連れが多く見られた。男性の姿も多くいるので、彼らは仕事をしている人たちなのか気になってしまう。 

 中々、目的の場所につきそうになかった。館内図を見て、目的の場所を探す。なんで、こんなに入り組んでいるのだろう。最近できたデパートで、二つの建物が繋がってる状態で、建っている。そのために、建物の階に差があるため、短いエスカレーターに設置されていた。増築して、訳が分からなくなったようにも思えてくる。6階までエスカレーターで上がってきた。

 館内の店員は皆、身なりがきちんと整った制服に身を包んでいて、満面の笑顔をふりまいている、通路を通るたびに、『いらっしゃいませ』という言葉が飛んでいる。

奥まった所に、店があった。タオルの専門店『きしれ』だ。毎回ここで、誰かに渡すプレゼントを買っている。誰かのために、何かを買うことが苦手で、いつも安易にここを選んでいた。店が、このデパートに移転したと聞いて、遠いと思って、別のものにしようか迷ったが、その迷う事すら面倒くさくなっていたのだ。

 「いらっしませ」

入って早々、話しかけられた。移転をしたで、置き場なども分からないので、助かったが、

「どんな用途で使われますか」

何も聞いていないのに、どんどん話を進めてきている。これは困る。

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