美少女揃いの文芸部に入部してフラグを立ててしまったが、俺は最後まで油断せずに攻略を果たす

げげるげ

第1話 俺は勝利した 前

 男子高校生の学校生活に於いて、一番、大切なことは何だと思う?

 勉学?

 ああ、確かにそうだ。学業こそ、学校生活の資本。将来のためを考えれば、学業に邁進するのは決して悪くない選択肢だろう。

 でも、一番じゃあない。

 部活?

 ああ、確かにそうだ。部活こそ、学校生活に於いての主役。勉強が出来なくても、部活に撃ち込んで成績を残せば、そっち方面で将来が切り拓けることを考えれば、悪くない選択肢だ。

 でも、一番じゃあない。

 惜しいところを突いているが、一番じゃあないのだ。

 では、恋愛?

 そう、恋愛!

 正確に言えば、『美少女』と近しいポジションに居られるか? だ。少なくとも、恋愛可能な立場に居なければ、意味はない。ギャルゲーの主人公の友達ポジション? そんなものは、ゴミだ。男ならば、主役。主人公。美少女が居たのならば、積極的に交流し、連絡先を交換し、一発決めてやろうとするのが男という物だ。

 無論、恋愛なんてゴミだ! という派閥も俺は認めている。

 恋愛するもしないも自由だ。

 俺の邪魔にならない男子は大歓迎である。邪魔をするのならば、容赦しない。恋愛バトルで正々堂々と決着を付けて、マインドクラッシュを決める所存だ。


「剣介? ねぇ、おい」


 おっと、話がずれたな!

 要するに何が言いたいかといえば――――俺は既に、『勝利者』であるということだ。

 ライトノベルや漫画のラブコメに於いて、美少女だらけの部活というのが、しばしば存在する。部員は一人の男子以外、全て美少女。他の男子なんて居ねぇ! そういう部活。

 もちろん、分かっているさ。そんなものは幻想。現実にはそんな都合の良い部活なんて存在しない…………そう、つい最近までの俺は、そう思っていたんだ。


「剣介。黙ってないでなんか言いなさい」


 でも、あった!

 理想郷は本当にあったんだ! そして、俺は栄えある『主人公』の立ち位置を手に入れたのである! 美少女三人の部活に対して、唯一の男! それこそが、この俺! 高校一年生にして、学校生活の『勝利者』! 柊 剣介(ひいらぎ けんすけ)で――――みぎゃっ。


「無視すんな」

「おぼぼぼぼぼぼぼぼ……」

「飛鳥ちゃん。多分、痛みで意識があやふやなんだと思う、よ?」

「あらあら、完全に白目を剥いているわねぇ、剣介君」


 突如として足全体に走った激痛によって、俺は正気を取り戻す。

 はっ! そう言えば俺は、部員の一人を口説くために用意していた物を貸出して、ちょっとした行き違いにより、こうして足踏み健康マットの上で正座させられていたのだ。しかも、どこから持ってきたのか、妙にデカい漬物石を持たされていたのだから、軽い拷問だったぜ。


「あーのーねー? なんでアタシがこんなに怒っているのか? 分かる?」

「おやめください、御代官様……死んでしまいます、この状態で圧し掛かられると死んでしまいます。圧し掛かるならせめて、天音先輩の方があぁああああああああ!!?」

「アンタ絶対、胸を見ながら言ったでしょう? ねぇ?」


 一体、どうしてこのような有様になってしまったのか?

 選択肢をミスってしまったのだろうか? くそう、俺の思いやりが、部活の仲間を傷つけてしまっていたなんて!


「剣介」

「はい」

「もう一度、聞くけど、アタシがどうしてここまで怒っているか? 分かる?」

「はい」

「言ってみなさい」

「エロゲーの全年齢版のディスクと、R-18版のディスクの中身を入れ替えて、エッチな方のノベルゲームを君に貸し出したからです」

「つまり、確信犯だと?」

「君の驚く顔が見たくてぇええええええええ!!? 抱き着くのは! 背中に抱き着いて全体重をかけるのはおやめください、御代官様ぁ!!」

「くぉんの、変態ぃいいいいいいい!!」

「全年齢版だと、表現の自由が阻まれるんだよぉおおおおおおお!!」


 かくして、私は美少女に背中から抱き着かれるという、子供の頃からの夢を叶えている最中なのでした。

 ふっ、労せずともいつの間にか勝利を手にしてしまう。

 これこそが、俺が勝利者であるという証だと、理解して貰えただろうか? まぁ、多少、足がミシミシ言っているが、背中に対して全神経を集中させて、美少女の柔らかさを堪能しているから問題ない。

 え? 好感度?

 最近、部員の一人からゴミを見るような目を向けられているのが、唯一にして最大の問題点です、はい。



●●●



 さて、改めて自己紹介をしよう。

 俺は柊剣介。東北のクソ田舎で男子高校生をやっている、ナイスガイだ。割と鍛えている。ギャルゲーのモブみたいな外見だと中学時代に言われたことを気にして、マッスルを目指して鍛えているのに、思いの他、ガタイが良くならないのが最近の悩みさ。

 そして、高校入学一か月にして、今後三年間の栄華を勝ち取った勝利者でもある。

 うちの学校は妙に女子のレベルが高い学校なのだが、その中でもトップ3に入るとされている美少女三人が全て所属している部活があった。

 それは、文芸部。

 明らかに、部員の数が既定の数よりも少ない癖に、謎の幽霊部員たちによって支えられて廃部とならない謎の部活。

 美少女目当てで男子が入部しようとすると、入部届を手に居たまま、廊下で意識を失っている姿が散見されるというヤバい逸話がある部活だ。

 その逸話の所為か、俺が入学した頃には、二、三年生は文芸部への入部を諦めている男子しかおらず、一年生もその噂を知って、怖気づいているのが大半。たまに、お調子者の馬鹿が入部届を出しに行こうとして、廊下で気を失っている姿が発見されたことから、一年生男子の中では、文芸部に入部届を出しに行こうという猛者は居なくなっていた。

 そう、この俺以外はね!


「学習能力が無い馬鹿」

「性欲の塊」

「行ってこい、お調子者二号」

「お前に渡そうと思ったお守り、既に黒ずんでいるけど、大丈夫?」


 俺はクラスメイト達の応援を背に受けて、文芸部へ入部届を出しに行った。

 その際、ちょっとばかり怪現象に陥って、正気度と体力が削られてしまったのだが、そこはこの俺、美少女とのイチャラブのためだったら、命以外は賭けていく大和男子。気合を入れて、試練を突破し、見事、六十年ぶりぐらいにその学校で文芸部に所属出来た男子になったのである。

 やれやれ、入学して間もない内に、他の男子との格の差を思い知らせてしまったかな?

 まぁ、その対価として上着が行方不明になって、『半裸セクハラ男』の異名を得てしまったがね! なんだよ、人の上着を奪っていく怪異現象って。


「やり遂げるとは、流石だな、馬鹿」

「実行力の塊」

「ふっ……やるじゃあないか、柊」

「お前から返されたお守り、なんか塵になってんだけど、マジでヤバい奴じゃない? これ」


 ちょっと大変な思いをしたが、この程度じゃあ、俺の熱いパトスは止められない。

 ということで! 我らが文芸部の面子を紹介しよう!


「くぴくぴくぴくぴくぴ……」

「大丈夫ですか? ねぇ、水中毒って病気もあるんですよ? なんで、部活に来た時点で既に、空のペットボトルが幾つも転がっているんですか?」

「けふっ…………だ、大丈夫だよ、剣介君……それ、ネットのインチキ科学だって……知っているもん……現に私は、飲めば飲むほど健康になる……うひひ」

「オアシスを目前にした砂漠の民ですら、そんなに水を飲みませんよ? 後、水中毒はマジである病気です」


 エントリーナンバー1! 気づくと、常に水を蓄えている系美少女の菱沼 早枝(ひしぬま さえ)先輩! 黒髪おさげで、体格は小柄。やや、前髪が眺めで、おどおどと周囲を伺う、小動物みたいな癖があるけれど、顔つきは人形のように美しく整えられている。まるで、神様が最初から美しく作ろうと気合を入れて贔屓したみたいに。

 我らが文芸部では二番目に、きちんと活動をしている先輩であり、何気に、劇作家として、演劇部から頼りにされている実力派の人だ。

 ちなみに、外見だけで『押せば行ける!』と思った強気な男子は、間接キスという名の陸上で溺れる強制水摂取によりプールにすら入れないトラウマを負ったという。


「うふふふー、そうよぉ、早枝ちゃん。何事も、ほどほどにしないといけないわー。あら? いつの間にか、コーヒーが無くなってしまったわね。剣介君、お代わりお願い」

「駄目です」

「どぉして?」

「既にちょっと、酔っているからです」

「酔ってないよぉー、んもぉ、剣介君のばかぁー」

「いたぁ!?」

「天音先輩、今背中を叩いたのは俺じゃなくて、早枝先輩の方です」


 エントリーナンバー2! コーヒーで酔っ払える、合法酔っ払い系美少女! 土浦 天音(つちうら あまね)先輩! 天然茶髪のロングで、垂れ目の大人びた美人さんである。文芸部の中では、一番モデル体型であり、起伏に富んだ体型をしてらっしゃる、大変すばらしいお方だ。

 我らが文芸部の副部長であり、もっとも文芸活動に活発な人で、ネットでの小説投稿の他、何度か短編ではあるものの、誌面の雑誌にも作品が乗ったことがある本格派の先輩である。ちなみに、作風は甘々の青春ラブコメから、地獄の底まで叩き落とす悲恋だ。これにより、心に傷を負って、DV夫に依存するみたいに魅了されてしまった読者は数多居るという。


「お二人とも! 部活動なんですから、しっかりしましょうよ! この馬鹿がツッコミ担当になるって、相当あれですよ!」

「うう……ありがとう、飛鳥……俺をボケ担当に戻してくれるのは君だけだよ」

「ボケんな! 真面目にやれ!」

「じゃあ、はい。昨日書いてきた、三題噺。中々美味いオチが考え付かなくて、ちょっと妥協してしまった感があるから、批評よろしく」

「真面目か!」

「そうだぜ! 惚れた!?」

「これで惚れたら、ただの情緒不安定じゃない!」

「ですよねー」


 エントリーナンバー3! 真面目でツッコミ担当系の美少女! 残念ながらクラスメイトではないが、同学年の九島 飛鳥(くとう あすか)。花の如く鮮やかな赤いショートヘア。意志の強さを伺わせる、凛々しい相貌。すらりと伸びた手足に、さりげなく俺と同じぐらいの背丈はある長身で引き締まった体つき。純正日本人であり、外国語はさっぱりらしいのだが、祖母さんがどこかの国の美人さんだったらしく、その血を強く引いているのだとか。

 ただ、我らが文芸部の中では、一番、文章を書くのに向いていない奴である。論文とかを書くのは向いてそうなのだが、クソ真面目過ぎて、物語が全然面白くないのだ。リアリティを求めすぎて、異世界転生の過程を輪廻転生からニ十ページぐらいずっと独自理論を書くので、読むのに気合が必要な場合が多い。しかし、批評家としての目は素晴らしく、誤字脱字チェックはもちろん、物語の整合性チェックもしてくれるので、何気にとても助かる存在なのだった。

 …………ちなみに、同学年の飛鳥も入部してくれるなら、文芸部の美少女三人と加えて、四人じゃん! やべぇ、ハーレム過ぎるぜ! とテンションを上げていた俺であるが、早枝先輩、天音先輩に次ぐ、三人目の美少女は去年卒業してしまったらしく、ちょっと残念だった。


「剣介君は、本当に、飛鳥ちゃんが大好きなんだ、ねぇ?」

「うふふふー、明らかに、飛鳥ちゃんと一緒に居ると元気になるものね?」

「ちょっと、止めてくださいよ、二人とも!」


 なお、俺の本命は同学年の飛鳥である。

 美少女に囲まれて嬉しいという意識はあるが、男としては、本命は一人に絞っておきたい。そういう態度が露骨だったのか、割と二年生の先輩二人からはからかわれるというか、援護射撃をしてくれることが多く、非常に助かる。また、こういうからかいに真面目に反応して、顔を赤くする飛鳥はとても可愛い。


「ねぇ、剣介君。剣介君はぁー、飛鳥ちゃんのぉー、どんなところが好きなのぉー」

「ええい! 変な絡み方をしないでください、酔っ払い!」


 ここだ! ここがチャンスだ!

 先輩方からの援護射撃を受けて、俺は某ニュータイプの如く、ピキーンと直感が働く。ここで上手い受け答えで、飛鳥をときめかせることが出来たのなら、好感度アップ間違いなし!

 なので、俺は精一杯格好つけて作ったキメ顔で質問に答えた。


「ええ! 顔と体ですね! 特に足のラインが好きです!」

「「…………」」

「剣介」

「はい」

「ちょっと、屋上(処刑場)行こうか?」

「お手柔らかにお願いします」

「アンタの好きな足で血反吐を吐かせてやるわ」


 先輩方から軽蔑の視線を貰いつつ、俺は飛鳥に連行されて屋上に向かう。

 うちの学校は妙に高い柵で屋上を囲み、屋上を解放しているのだが、その所為か、周囲の死角になりやすく、このように処刑場として使われることも結構多い。

 やれ、学校生活の勝利者である俺だが、本命の飛鳥からの好感度がぶっちぎりで低いのはどうにかしないといけないな。



●●●



 思い立ったら即行動が、うちの家訓だ。

 迷っても良い。考えても良い。それでも、まず、動け。動かないことには始まらない。そういう家訓の説明を、母さんに内緒でキャバクラに通っていた父が、仕置きを受けながら語っていた姿を思い出す。

 だから、俺はとりあえず動くことにしている。

 本命である飛鳥の好感度が低い。機嫌が悪い時は、ちょっと死なないかな? こいつ、みたいな目で見られることもある。

 まぁ、流石に本音ではなく、真に嫌われているのならば、ガチトーンで絶交してくるのが飛鳥なので、まだ猶予はあると思うが、このままであれば愛想を尽かされてしまう。


「ということで、好感度稼ぎに来ました」

「下心を前面に出してくるな!」

「休日にボランティア活動で、教会の掃除なんて…………飛鳥は良い奴だな」

「エロゲー主人公の台詞ぅ!」

「おっと、即座にバレた」


 ならば、愛想を尽かされる前に、さらに好感度を上げるしかあるまい。

 俺は好かれるための努力は惜しまないタイプの人間だ。何もしていないのに、いつの間にか勝手に、誰かに好かれているという幻想は持たない。行動だ。行動あるのみ。

 例え、露骨に下心がばれていたとしても、好感度を稼ぐために、飛鳥が毎週行っているボランティア活動に同行するぐらいやってみせるのがこの俺だ。

 ちなみに、事前に飛鳥に対して許可は貰っている。

 突然、学生がボランティア活動の人数を増やすと、監督する側の人間も困ってしまうケースが多いので、こういう事前の準備が大切なのだ。


「言っておくけど、ここで変な真似したらぶっ飛ばすからね? いつもの倍の力で」

「流石に場所は弁えるぜ!」

「本当?」

「全然、信用していない目!」

「…………ふん。いいけど、途中で手を抜いたら軽蔑するから」

「あいあいさ!」


 そして、俺は真面目に働いた。

 何せ、今回は好感度を上げる目的だったとしても、ボランティア活動だ。やるからには、真面目にやらなければ失礼に当たる。俺は、自分が望んで参加した活動で手を抜くのは嫌いだった。だから、割と結構、いや、かなり真面目に頑張ってみたのだ。

 教会の掃除を、予定よりも一時間早く終えて。

 教会のシスターさんのクッキーづくりを手伝いして。施設の子供たちの遊び相手もして、気付けばいつの間にか日が傾いて、夕暮れになって居るのだから驚きだ。

 ふむ、誰かのために動くというのも中々に悪くない。

 …………やっべ、好感度稼ぎに来たってのに、完全に飛鳥を忘れて熱中してしまったのだが、これはアウトだろうか?


「アンタ、真面目にやればまともなのに、どうしていつもはああいう……」


 いや、セーフだった。

 多少呆れてはいるものの、帰り道で珍しく隣を歩いていても威嚇してこないし、むしろ、今まで一番、距離が近いまである。

 ここで手を繋ごうとすれば、腕の関節を持っていかれるんだろうなぁ。


「男の子だからな! 女子の前では張り切りたいものなのさ!」

「変な方向で張り切らなければいいのに」

「君みたいな美少女を口説くんだぜ!? そりゃあ、張り切り過ぎて空回りもするさ!」

「…………ちなみに、アタシの性格に対する評価は?」

「親しみを覚える相手に対して、攻撃性が上がって来る傾向にあるの、物騒だと思う」

「素直な評価ありがとう、お礼に手を繋いであげる」

「おっとぉ? その手の繋ぎ方だと、俺の関節が変な方向に極まっちゃうぞぉ?」


 などど、考えていると飛鳥の方から手を繋いでくれるのだから嬉しい。

 多少、腕が変な方向に曲がっていて、すれ違う通行人に二度見されることが在ろうとも、これはギリギリ俺の望んでいた青春なのだから。


「でも、今日は本当に意外だった。アンタ、適当な奴じゃないんだね」

「ああ! 俺はやる時はいつだって本気だぜ! 嘘、御免、午後の体育の授業とか、三割ぐらいの力だわ」

「…………変な奴」

「それは、『おもしれー男』みたいな扱いでいいので?」


 俺は半ば冗談でお道化て見たのだけれども、ふと、こちらを見る飛鳥の表情には微笑が浮かんでいた。

 その姿は夕暮れの背景と相まって、とても綺麗で俺の胸を打つ。

 人間、中身とか言われているけど……やっぱりさ、綺麗な子が大好きですよ、俺は。


「そうかもね?」

「お、ワンチャンあります?」

「今のままだと無いよ」

「さらなる進化を望むか……ふふふ、よかろう。我が力見せつけてやる」

「一体、何なのよ、アンタ? …………でも、まぁ、そうね」


 んんー、と唇に人差し指を添えて悩んだ後、飛鳥は俺に向かって尋ねてくる。


「ねぇ、剣介」

「はいな」

「明日。部活動に来る前に、ちょっと一緒に付いてきて貰っても良い?」

「逢引き?」

「そうなるかは、アンタ次第かもね?」

「…………おお!」


 にんまりと意地悪そうな笑みを作る飛鳥に、俺のテンションは急上昇。

 やっぱり、行動したのがよかった! フラグ立った! ルート入ったよ、これ!!


「是非とも!」

「ん、それじゃあ、明日……よろしく」

「ひゃっはぁ! そして、そろそろ手を放してくれないと俺の腕がヤバい」

「あ、忘れていたわ、ごめん」


 その後、俺はきゃっきゃと喜びながら帰路に付き、妹に『兄貴、キモい』と罵られながらも、就寝するまでハイテンションで浮かれていた。

 きっと、明日からバラ色の学校生活が幕を上げるのだと信じて。

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