領域の外 2

近衛兵長は手にした長剣を地面に叩きつけながら続ける。

「・・・逆を言えば、お前の振る舞い一つで龍族へ対する認識が変わるやも知れん。生粋の天翼族であり、天翼族に利することを第一とするこの私が「お前ならば」と考える程度にはな。」


ロキはその言葉に、ほんの少し頬を緩めた。

「それで良いよ。一気に変わるなんて思っていない。・・・ただ、ほんの少し・・・ひょっとしたら何かが変わるかも知れない、そんな気がするだけで充分なんだ。それだけが僕がここに居続ける理由だから。ね、トール?」

「ああ。全く甘い考え方だろう?だが、これでその理想へとまた一歩前進する。・・・感謝する。」

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