ハイドクラブ
@VA_Jonathan
第1話
「ねえねえ、
普段通りの日常が変わり始めたのは、この一言からだった。
「おおーい、蓮君?」
今声をかけてきたのは
「生物研究部?」
「うん!蓮は部活、入ってなかったよね?」
「まあそうだが…何でだ?もう六月だぞ?今更入りづらいし…」
「大丈夫!昔から動物好きだったじゃん!一旦見に来てよ」
「お、おう…。まあ体験だけだからな」
半ば強引に体験する事となった。まあ生物は好きだし…帰宅部も何か恥ずかったしな。久しぶりに涼乃から声をかけてもらったことが嬉しかった訳じゃあ無いからな。
「こんにちは~~!皆いる?今日から入部する幼馴染の蓮だよ!」
「お、おい。まだ入部する訳じゃ…」
「よ、よろしく。新入部員…君?」
「いや、だk…」
思わず見惚れてしまった。透き通るような白い肌に、晴れた日の雲のような白い髪。整った顔。どこかしら猫を連想させる幼気のある顔立ちでありながら、天使の様な美しさも感じる。
ただ、言葉に詰まったのはそれだけではない。部活中であるはずなのに、彼女の目の前にあるのはゲーム用PCとヘッドセットだった。
「あの…部活中…ですよね?」
「そ、そうだけど…」
「ゲームしてましたよね?」
「うん」
「いえ。何も無い…です」
ゲームしてても良いような部活なのか?誰も文句言っていないみたいだし普通なのか?
「
「うん。そういえば
「バド部だと思う。四時半くらいに来るんじゃない?」
「そっか」
と言って芽瑠さんはゲームを始める。
「あのー、ここって何か活動しないんですか?」
「やる事があればするんだけど…。今は無いよ?」
「あ、そうなんですね」
とりあえず四時半まで暇って事だよな。帰っていいのかな?
あれ?と言うか入部確定って事?まあ良いや。
「涼乃、入部する事にした。2年の先輩とかいないのか?」
「いたよ?私達が入ったら辞めていったけど。あ、そうだ!後で自己紹介もしないとね」
「そうか。じゃあ今は3人だけ?」
「うん」
随分と過疎化が進んでるな。この部活。まあ帰宅部よりはマシだろう。
「入部届はどこで出せば良いんだ?」
「それは任せといて!やっておくから」
「そうか。ありがとうな。涼乃」
結局入部するのか。昔からそうだったな。涼乃のお願いはいっつも断れなかった。話し方がうまいのだろうか。誘導されて、気が付くとそうなっている。
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