すいすいのノゾミヒメ のぞみのわくわく米作り3
―――――石拾いも最初は宝探しゲームみたいな感じで、楽しみながらやってたんだけど。
「ふ~。もうかなり終わったかなぁ~」
改めて田んぼを見ると、まだ3分の1以上終わってなかった。
「ええっ!? まだこんなに残ってるの!?」
のぞみ的にはもう終わりかけだと思ってたのに、まだ全然序盤だよ。
それに石を集めれば集めるだけ、背中のカゴも重くなってすごく大変。
中には持ち上げるだけでかなりきつかった石も結構あって、のぞみはもうヘロヘロ状態になっちゃってるよ。
「どうやら石がかなり溜まってるようじゃな?」
家の方からした声に振り向くと、縁側でお煎餅を食べながらお茶をすすってる米仙人がいた。
「家の裏に石材置き場があるから、重かったらそこに置いてきたらいいぞ」
「ね~。手伝ってくれないの~?」
「ばかも~ん! いきなり他人に頼る奴がおるか~! まずはお前1人でやらんか~!」
「…………はぁ~い」
のぞみは小石が沢山入ってるカゴを背負いながら家の裏に行くと、斧で切った薪が沢山積まれている薪置場と、いろんな大きさの石が置かれてる石材置き場を発見した。
「え~っと。多分ここでいんだよね?」
石材置き場に到着したのぞみがカゴをひっくり返すと、小石がジャラジャラと音を立てながらカゴの中から石材置き場へと積まれていった。
「ふぅ~。これでだいぶ軽くなったよ」
けど、3分の1でカゴが満タンって事は、少なくても後2回は石を捨てにここに来ないといけないから、かなり面倒だよ。
「さてと。残りをやんなんと――――」
のぞみが田んぼに帰ろうとすると、後ろにカゴを持った式神が列を作って並んでた。
「わわっ!?」
のぞみはビックリしてカゴを落としちゃいそうになるのを、必死で受け止める。
「そう言えば、のぞみの行動を真似っ子するんだっけ?」
式神は順番に石を捨てていって、捨て終わったら空を飛んで田んぼに戻って行ったみたい。
「こりゃ~! いつまで休憩してるんじゃ~」
家の方から米仙人の声が聞こえてきた。
どうやらちょっとだけ、ぼーっとしてたみたいだよ。
とりあえずお昼までには石拾いは終わらせて、後はごんすけと遊ぶ事にしよっと。
――――のぞみは急いで田んぼに戻って石拾いを再開する事にした。
それからは無心で石を拾う事だけ考えて、お日様が真上に来る頃にはなんとが終わらせる事が出来たんだ。
「ふぅ~。なんとか終わったよ」
最後にカゴにいっぱいに残った小石を石材置き場に捨てると、ぽたりと額から落ちた汗が地面に吸い込まれていった。
「お~い。昼飯の時間じゃぞ~」
汗を拭うと、家の中から米仙人の声が聞こえてきた。
「いまいくよ~」
返事をした瞬間。
のぞみのお腹から「ぐぅ」って音が聞こえてきた。
なんだかお腹がペコペコのペコちゃん状態だよ。
こんだけ頑張ったんだから、モンエナと山盛りのポテチで体力回復しないと!!!!
――――のぞみは家の中に入ると、すでにお昼ごはんは用意されていで、床に置かれたお皿の上に乗せられてた。
………………けど。
「ねぇ。お昼ご飯ってこれ?」
「なかなかじゃろ? さあ、遠慮しないで食え。食え」
のぞみの前には真っ白なおにぎりが2つに、山菜のお吸い物が入ったお椀が1つだけで、他には何にも見当たらないよ。
「い、いただきま~す」
とりあえず、おにぎりを1個取って食べてみる。
中には何にも入ってない塩の味だけのおにぎり。
――――――けど。
「お……………美味しいよおおおおっ!?」
そう。
食べた瞬間。めちゃくちゃふっくらとしたお米が口の中いっぱいに広がって、のぞみはお米の海でクロールをして泳いでいるような気分になった。
お塩の塩梅もいい感じで、お米の甘さを完璧に引き立ててる。
これは、おにぎりを食べるのが止まらないよ。
「あれ? もう食べちゃった?」
「どうじゃ? これはわしが去年作った米じゃ。なかなか美味いじゃろ?」
「うん。凄く美味しいよ!!!!」
これは、のぞみが今まで食べたお米で一番美味しいかもしれない。
――――ううん。
今までどころか日本一………………いや、宇宙一美味しいと思う!
これはのぞみアワードのギャラクシー・オブ・ザ・お米部門の堂々1位!!!!
「これは絶対、モンエナに合うねぇ~」
のぞみはモンエナを飲もうと缶に手を伸ばしたけど――――。
「あ、あれっ!?」
のぞみの手はなんにも無い虚空を掴んだ。
「そ、そう言えば、モンエナが無いんだったよ!?」
せっかくモンエナに合うお米に出会えたのに肝心のモンエナが無いなんて、超・大ショック大統領に就任出来そうな感じだよ。
「この吸い物も自信作じゃ」
進められるままにお吸い物も飲んでみた。
確かにこっちもすっごく美味しい。
…………けど。
やっぱり1日3食全部モンエナを飲んでるのぞみは、あれが無いと落ち着かないよ。
「…………モンエナ」
「ん? どうかしたのか?」
遂に、のぞみの不満が爆発してしまった。
「うわああああああん! モンエナ、モンエナ、モンエナぁああああ!! モンエナ飲まないの死んじゃうよおおおおおっ!!!!!」
感情の制御が出来なくなっちゃったのぞみは、床に仰向けになりながらひらすらに手足をジタバタさせて泣き叫ぶ事しか出来なかった。
「ええい。そんなの無いと言っておろうが!」
「やだやだやだやだ。のぞみモンエナが無いと、何もやりたくないいいいいっ!!!!」
勉強のお供にモンエナ。
ゲームをしながらモンエナ。
ご飯を食べながらモンエナ。
モンエナの無い生活なんて、のぞみにはぜぇ~~~ったいに無理っ!!!!
――――それから数分間のぞみがジタバタしていると、米仙人は「ふぅ」とため息をついてから、やれやれといった感じの表情でのぞみに話しかけてきた。
「仕方ない。買ってきてやるから静かにせんか!」
「ホント!?」
のぞみはジタバタするのをピタリと止めて、米仙人に向き合った。
「ただし、1日1本までじゃ!」
「ええ~っ!? 1本だけじゃ全然足りないよぉ~!」
「うるさい! これ以上お前のわがまま何ぞ聞けんわ! 1本飲めるだけでも感謝せんかい!」
確かに1本だけでもモンエナが飲めるなら、のぞみはすっごく嬉しい。
それにあんまり怒らせると1本すら飲めなくなっちゃうかもしれないし、ここは――――。
「わかったよ。のぞみ1本でも我慢する。けど、本当に買ってきてくれるの?」
「おぬしがちゃんと仕事をするのならばな」
ま、まあそれもそっか。
どのみち畑仕事をしないと帰してはくれないみたいだし、モンエナでエナジーチャージ出来るならちょっとはやる気が出るかも。
「よぉ~し。そうと決まったら頑張るぞ~!」
のぞみは残りのおにぎりとお吸い物を一気に食べて、午後の仕事に向けて気合を入れ直す。
何気なく縁側を見たら、ごんすけがお皿にたっぷりの猫まんまを食べてるのが見えた。
どうやらごんすけもちゃんとご飯貰えてるみたいで良かったよ。
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