第7話

 そしてアーバーンが居る所に行き、事情を説明すると。テレパスで話しかけて来た。

『ああ、頭痛く成って来た。言い方は悪いけど水を操る際に不純物が混ざって居ようがちゃんと操る事が出来る……事の不純物に条件付きでとは言え生物迄適用出来ちゃった訳ね』

『そうみたいだな』

『……それは要するに水を操る力で泥水を操る感じで生物迄操る様な物よね。だから、彼女は泥と似たような扱いって事で、割と人権を踏みにじり過ぎと言うか何と言うか』

『別に前提の理屈がそうだと言うだけで、別に彼女を泥扱いして居る訳では無いが』

『まあ、理屈も何も無い現状の力でやれるよりかは目的も手法も明確だけど、説明の付く物もそれはそれで割とアレね。一言で言えば自分の操れる物の範疇に相手をさせる能力な訳だけど、割と欠陥有ると思うわ』

『まあ、体内に水が碌に無い奴には多分この手法だけじゃ無理だろうから一手間加えないとアレだろうしな』

『だけど、少なくとも身体が人外化してない人間には十分効くと思うわよ?魔法や異能とかを潰せる奴は別としてだけど』

『後、純粋な奴隷化じゃ無いから普通に抵抗されるかもだが』

『水以外も操れる状態な事を考慮しないにしても自分の身体の六割以上を相手の制御下に置かれている状況で?』

『……確かに対抗が只の物理だけなら操ってる部分で対抗すれば既に過半数を掌握している的な意味でアレだな……まあ、奴隷化能力が何も人権を踏みにじって居ないパターンじゃ無い方が珍しい気もするが』

「さっきから何を黙り込んでいるの?」

「ああ、魃、悪い。この人はアーバーンだ。で、此方は魃、だそうだ。」

「魃、ねえ。一先ず、名前を変えた方が良いと思うわよ?敵に送り込まれたなら変えていた方が無難だろうし」

「なら日葉水にちはすい、なんてどうだろうか。日葉にちはが苗字ですいが名前な」

『……状況との兼ね合い的な意味で割と語源的に葉水はアレだと思うけど、見た目上は普通の名前ね』

「日葉水、それが僕の名前?解ったよ。そうこれからは名乗るね」

「そんじゃあそう言う事で」

『しかし思考回路自体はそんなに掌握してないのでしょう?暫くの間能力で彼女は私が監視して置くわね』

『解った、そう言う事で頼む』

 補足と言うかフォローを述べて置くと、水を操る力で水に混ざって居る物も間接的に操ると言う事を派生させた物で、それで操れる物は別に泥水に限る話では無い。泥水と言うのはあくまでも一例で有って、泥水しか操れないと言う意味では無い。まあ、今回の話が出来ないと対応としては砂なり何なりを操る水に対して対抗に当てれば水を操れなくなりますと成りかねない。別に不純物の無い理論純水しか作れず操れないなんて話は別にして居ないのだ。これはその操れる範囲を意図的に増やしただけでしか無い。……まあ、インスタントの飲み物の粉みたいな混ぜる物扱いでは有るが。

「……水霧、で良いのだよね?これからどうする?」

 ……奴隷化の実験出来れば良いやの精神でやった事だからその先は何も考えてなかった……のだが、……これは据え膳にも程が有る状況だと言う事は理解している。……そうだな。彼女には俺の制御の力でのエロ方面で色々と実験に付きあって貰う事にしよう。それなら最初の目的からも外れ無いはず。……まあ、アーバーンとか白菊とか他の奴等に検証無しに使って後から問題が発生しましたとか成っても困るのだ。……まあ、ハニートラップ対策として、俺自身の快楽を得る目的ではそれを現状はやる気は無いが、実験には色々と付き合って貰おう。

「俺の能力がどれだけ効いているかの確認がしたいし検証に少し付き合ってくれ無いか?」

「……解った。僕はもう覚悟は出来ているから、せめて人の居ない所でお願いね」

「了解。じゃあ更に場所を移動しようかね」

 そしてある個室に移動し、秘密裏にアーバーンに監視された状態で色々と彼女へと実験を繰り返した。



 彼女、日葉と呼ぶが、日葉は実験に一通り協力してくれた。その結果解った事は……まあ、エロ系の実験も多々して居るのだ。全部は余り話す事では無いな。だが、女性の身体を意のままに自由に動かせる能力と解釈するなら、……悪魔に似たような能力の奴が居た気がする。確かサタナキア、だったかね。アレは対象が女性限定の強制服従能力だったので、違う物では有るが……メイン用途としては耐性を付けさせるために使うとは言え、前提の把握の為の検証実験でやる事自体はアウトと言えばアウトでは有る。ゲーム的に全部最初から仕様を把握出来れば良いのだが、そう言う訳にも行かないしね。……はぁ。後、子供が産まれた事自体を隠す事で、他に狙われる事を防ぐ。その結果、子供らは公的には人権が無い……それをする事での目的を違えればアウトな物に余裕で成る。……展開上必要だからやって居る事だとは言え、それを大義名分以外に悪用したら色々とブーメラン検案に成りかねない検案を抱え過ぎている状態では有る。自分で前提と成る大義名分を崩すような真似をすると色々と不味い事をやって居る自覚は有るのだし。其処にアーバーンが話しかけて来る。

「拒否権の無い女を意のままに自由に動かしてどんな気分かしら」

「……あくまでもそれは検証実験としての物だから、それに、その結果日葉も自分の力の問題を緩和出来たのだし、相応な対価は払っているはずだが」

「確かにあくまでも合意の上での物では有るわね。状況的には服従か死かを選ばせた様な物だけど」

「……そうする以外選択肢が無い状態での合意は無効だと?」

「もしそれが有効なら、色々と脅迫して無理矢理許可を出させた物もレイプでは無く和姦だけど」

「……確かにそれは不味いな……彼女に対しては俺が快楽得るためには使わんとこう」

「あくまでも能力の検証実験に付き合って貰っただけと嘘偽り無く言い張る為にはそうするべき。それが他に信用されるかどうかは別として、だけど」

「……解ったよ。しないようにしとくさ」

 そして実験に戻る事にした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る