第14話赤福の話

赤福、と聞いてピンと来た人は昭和、平成初期の関西人です。餅をこしあんで包んだシンプルな餅です。大阪、当時は近鉄沿線で手軽に買えたものでした。三重県の伊勢市に本店があり、赤福餅とお茶で400円くらいで食べれます。我が家は赤福餅をリスペクトしていて毎週、家族の誰かが買って来て食べていたソウルフードです。ある時異変に気が付いたのは弟でした。


「なんか味、変わってへん?」


確かに言われてみるとあっさりしたあんがちょっとおかしい。おかしいと言ってもどう説明したら良いかわからないけど、いつもと違った赤福餅。その後賞味期限切れの餡を使いまわししていた事がバレて、新聞沙汰になり、信頼も底をつき、気軽に店で買えなくなってしまった。今でも赤福餅の復活を望むが、キヨスクはファミリーマートになり、期待は絶望的になるのでした。たまに伊勢の赤福本店で食べるのが細やかな楽しみになりました。

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