第9話タコパ

「大阪の家には必ず一台タコ焼き機があるんですか」


良く聞かれる。もちろん、有ると思う。多くは電熱のホットプレートであるが我が家では古いガス式のものを使う。たこ焼き屋ではあり得ないタコのぶつ切り、ギュウスジ、チーズ。色々なものをぶち込む。餡子あんこももちろんある。とにかく何でも入れてみれるのがタコパの楽しみであろう。


私が好きなのは貝類である。カキ、ホタテ、どれも美味である。こう書いていて費用対効果は明らかに自宅の方が良いのに何故店で買い求めるのだろうか。それはに有るのだと思う。ハレの日は良い一日。たまにはたこ焼きでも買おうか。ケではとてもたこ焼きを買う気にはなれないがたこ焼きが食べたい。そんな時にタコパをするのである。我が家では30年来のたこ焼き機である。母親が大切に育てたたこ焼き機である。カリカリに焼き上がるたこ焼きは現在出回るモノとは一線を引く。ガスたこ焼き機は今も健在である。

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