第2話イカ焼きの話

イカ焼きと聞いて皆さんはどう思われるだろう?露店で見るイカの姿焼きを思い起こす人も多いのではないだろうか。しかし大阪では少し違う。カテゴライズでは「粉もん」になるのだ。


小麦粉の生地に刻んだイカを混ぜ、専用のイカ焼き機で焼く。このイカ焼き機というのはイカ焼きを鉄板で挟み込み、焼くので両面がガスで熱せられている。イカ焼きは数分でできあがる。出来上がりはクレープを適当に四つ畳みをしたような形で提供される。大きさは普通、ジャンボ、と二通りがあって、普通は二百円、ジャンボは三百五十円。ジャンボにすると普通より倍近いサイズの大きい物が出される。


たっぷりのオタフクソースで挟まれたイカ焼きはお持ち帰りも出来るがやはりその場で食べた方が美味しい。子供たちに愛された味であったと思う。最近、イカの不漁でイカ焼きにも暗雲が立ち込めている。閉店したイカ焼きの店の前を通るたびに夏の昼下がり、クーラーの効いた部屋で出来立てのイカ焼きを頬張ったのを思い出す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る