第4話 ラジオばかり聴く日々

 私はラジオを聴くことが高校2年くらいから好きになった。たぶんそうなったのは、祖父の影響があると思う。

 祖父は70歳。耳が衰えていたため大音量でラジオを流していた。祖父の部屋と私の部屋は襖1枚で分けられており、ラジオの音は私の部屋に流れ込んできていた。祖父はほとんどラジオをかけ流しにしていて、私は何をしていてもラジオを聴くことになっていた。

 しかし、その生活は嫌なものではなく、むしろ楽しかった。リスナーから送られてくるお悩みが聞えれば私なりに考えたり、1900年代のポップミュージックにノリノリになったこともある。

 先日、清水克彦著の『だからラジオは面白い』を読んだ。ラジオ記者の奮闘などが書いてあり、私はラジオに対して真摯に向かてきたのか、と不安になったりもした。本にもあったが、ラジオの良さは井戸端会議のネタが増えることだと思う。年上の人と話すと少し話が盛り上がったりもする。祖父には感謝だ。

 昨夜もFMラジオを布団の中で聴いた。同じラジオを聴いているトラックドライバーには申し訳ないと思いつつ眠った。

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