#2 なんでだよ!

なんつうかさぁ。おったまげたっつうか、


ねぇ?…ビックリするよなぁ?ダチ呼び行ったら


よ、ソイツがお陀仏ンなってたんだぜ?


こういう時、おたくならどうするよ?


まぁ、警察に電話するわな、そら。


俺?俺もそうしたよ。当たり前だろ?


したらよぉ、来た警察がまたいけすかねぇ若ぇ野


郎でよォ。…なんつったかなぁ、若ぇ刑事で…


えっとぉ…そうだ、パトリック!パトリック・ラシター!


パトリックっつう犬を昔飼っててな、コイツが


また…っと、いけね。まぁた話がズレちまったな。


悪ぃ悪ぃ。


で、その野郎ハナっっっから俺を犯人だと決めつけてやんのさ。


「昨晩の夜21時から21時半頃、あなたはどこにい


ましたか?」だの。


「それを証明する人は?」だのと聞いてきやがっ


て、なぁ?


…え?それが普通だって?


ケッ、まぁそりゃそうなんだけどよ。ヤツの


目付きが気に入らねぇ。


まぁそりゃ、デカだからそういう目付きになる


のァ仕方ねぇか。


で、結局、状況から考えて、ただの物取りの犯行


って事でその場はお開きンなったワケだが。そこ


で納得がいかねぇのがこの俺よ。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


次の日、あの日はちぃっとあったけぇ日だったかな。


うん、あんなことがあったもんでみぃんな凹んじ


まって、しばらく練習に身が入りそうもねぇって


んで、誰が言うでもなく休みンなった訳。


じゃあ遠慮なく、ってんで休日を謳歌しようとした訳だ。


ビールのプシュっ、て音に、これ程までに癒され


る日が来るとはなぁ。


いやぁ、実際、呑まにゃやっとれンよ。


そこで、キンコン、玄関のチャイムが鳴った。

一気に現実に引き戻されっちまったじゃねぇか。


なんで?って?相手が問題なんだよ。


…ピザ屋だよ。つってもお前、ただのピザ屋だっ


たらこんな言い方するもんか。第一、俺そん時


ピザなんか頼んでねぇもん。


アイツだよ、あいつ。


ほら、このアパートの向かいにあるピザ屋だよ。


そう、トニー・パーカー。ロン毛でソバカスのチ


ャラチャラしたクソガキ。


あの野郎、シレーっと


「ピザのお届けでーす」なんつって来やがった。


俺が「頼んでねぇよ」って断ると、だ。


どうしたと思う?あの野郎ピッキングで部屋ん中入ってきやがんの。


「いやぁ、頼んだハズのお隣さんがお留守でしてね。」


なんて抜かしやがんの。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

俺も最初は『ふーん』なんつってたが、よく考え


たら、俺の隣ったら随分前から空き部屋じゃねぇか。


あの野郎それ知ってて来やがったって事ァ…


あー。


まさかとは思いつつも、ピザの箱を調べた。


空だった。


ヤッパシ。


ピザの代わりに、小袋が入ってた。さて、中身は


なんでしょうか?


…クスリだよ。おクスリ。真っ当な病院じゃあ、先ず貰えん部類の。


そう。コイツ、ピザ屋のバイトの他にこういう


「バイト」もしてる奴。ゲス野郎。


しかも、だ。こうして偽装して売ってるのをいい


事に、テメーも拝借してやがんの。


でもよ、こういうやつほど、使えるんだわ。


要するに、所謂「裏の世界」って奴に詳しいの


さ、こういう奴は。


そこで俺は問い詰めた。


「昨日の夜ジョニー・ガーガンが殺されたの、知ってるよな?」


「ああ、ニュースでもやってたし、警察がいたか


らな。沢山。おかげで…」


そこで俺は奴の胸ぐらを掴んだ。これ以上こんな


ゲス野郎の話なんぞ聞いてやる気分じゃあねぇ!


「おい、殺った奴知ってるか!知ってるだろ?!


おまえなら!」


…医者からは常々、血圧をあげるなと言われてる


が、今はそんな場合じゃねぇンだよ!




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