夢海の景色
りゅう
第1話 夢海の景色
夢海の景色
ずっと、この景色が見たかった。
隣を見れば、あなたがいてあなたの笑顔を見ることができるこの景色を…
失って初めて気づいた。今まで当たり前だったこの景色が、どれだけ幸せでどれだけ尊いものだったのかを…
無駄に失った時間はもう、戻らない。
あなたは私をずっと、嫌っていた。そうですよね?
でも、私はずっと、あなたが好きだった。
辛かった。好きな人に嫌われることが…
だから、逃げ続けた。数年間、あなたから目を背けて、あなたをもう、好きではないと言い続けた。
でも、隣を見ればあなたがいる景色を失って私は、まだ、あなたが好きだと知った。
後悔しかない。自分を偽り続けて、抗うことをやめた数年間を取り戻したい。
結局、私はあなたから逃げ続けただけだった。あなたにこれ以上嫌われたくなくて意地はって距離を取ってその結果、あなたにいっぱい迷惑をかけたりした。
ようやく、少しだけ、打ち解けたと思ったら、もう居なくなってしまう。
好きです。と伝えたら、きっと、あなたは私を完全に拒絶するのだろう。
だから、笑顔で見送りたい。
あと一度だけ、あなたが隣にいてくれる景色を見ることができる。
好きです。とは言わない。
がんばってください。とだけ伝えられればいい。私の目標はいつまでもあなたでいつか、あなたを超えると伝えられればいい。
あなたは私の好きな人で私の目標
あと一度だけ、最後に思いっきり、成長した私を見て欲しい。
あなたが育ててくれた私を私の隣で見ていて欲しい。
最後の私にとって夢の景色で、私はあなたを超える。
夢海の景色 りゅう @cu180401
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます