おっさん、ダンジョン、幼女と時々悪魔

団子虫

プロローグ

人類は緩やかにそして確実に反映していっている。

どんどんと生活は豊かになり人々は過去の苦しみを忘れていくのだった。

ただ、それは世界の一端だけにすぎなかった。


人類は種族として進化・進歩していっている反面、地球は汚染され破壊され続けている。しかり、世界のどこがで貧困・紛争・飢餓は絶え間なく続いている。



同じ人間であり、同じ地球上に生きていても産まれた場所、環境、人種で埋められない、超えられない差。ただ、そんな不平等つつも世界の均衡は保たれているように見えていた。



しかし、その均衡を変えたのは世界各地で発生した大規模地震だった。



その震災では世界で同時に発生した。

奇跡的にも大きな被害はなかったため、ニュースで取り上げられるも直ぐに人々からは忘れられた事柄だった。

しかし、一部の研究者や専門家は世界の終わりを警告する。

また、オカルト系掲示板でも、何かの予兆ではないか?など地震発生から数ヶ月もすると一部の人以外は普段と変わらない生活を送るのであった。


人々の記憶から薄れ始めた数か月後に変化が起き始める。

日本の一部地域で体調の不良を訴える人が続出する異常事態が発生した。

早速、国が問題の起った地域を突き止め、調査することになった。


その調査の結果、異常現象の起こった地域中心部には原因と思われる謎の洞窟が発見された。


洞穴の奥には建造物の内部のように壁や人が歩けるような階段が存在していた。

その空間では未知の「生物」遭遇する。


そして未知なる「物」、「力」が見つかった。洞穴の奥にあるその不思議な空間は後に「地下迷宮:ダンジョン」と言われるようになる。


そして、国の管理下でダンジョン調査が始まった。

調査の結果で現在一般市民に発表されているのは「ダンジョン」には未知なる「生物・物・力」があり、洞穴からは微弱ながらも未知のエネルギーが漏れているため電子機器や人々に影響を与えているということ。それによって電子機器は使用不可能になる。

また、適性の無い人間には拒絶反応が起り、少なからず精神・身体的共に異常を起こしてしまう。そのため適正のない人々はダンジョンから悪影響を受けてしまうのだった。

ただし例外もあった、一部の「適正」がある者は好影響を受け身体能力の向上だけでなく特殊な力を授かるのであった。



人々はその人々を「攻略者」と、特殊な能力を「ギフト」と呼ぶ。

そして「ギフト」を持っている者を「ホルダー」と畏怖を込めて呼んだ。



そんな混乱の中、国はダンジョンの問題解決の糸口を探し続けていた。

混乱の鎮静化だけでなく、自国の繁栄、防衛のため、一部の上流階級の人々は富と力を得る為に活用方法を模索する方向となるのは自然の流れであった。



初めての成果は探索隊がダンジョンから持ち帰った小さな「石」だった。

その石にはダンジョンが保有しているエネルギーを貯めることができ、様々な技術に転用できる可能性を秘めていた。


それだけでなく、ダンジョン内部では宝石、貴金属、オーパーツといった未知なる技術が含まれている物が出ることが発表されると、世界中でダンジョン攻略が行われるのはそう遅くはなかった。



それから1年間の月日が経過した。



皮肉なことにこの1年での内戦を含む戦争は一度も起きていない。しかしダンジョンで得た力を使いまた別次元での戦争が起きようとしているのも事実であった。


ダンジョン発生から1年以上経過今でも調査は継続しており、日本は莫大な富と力を国は得ることに成功する。

どこぞの国の忠犬と言われたり、どこぞの国から賠償請求されたり、裏で経済戦争でズタボロにされたりとやられたり放題だった小さな島国は今世界を引っ張る存在と返り咲こうとしていた。


ただし、莫大な富を得たのは日本だけに限った話ではない、日本は|今は(・・)ダンジョン攻略の先進国となっているが、その差はほとんど無いに等しい。

裏では熾烈な人材戦争が起きていた。

国の保有する適正者の数と質が今は国際政治的な力となっているからだ。



主人公は、一握りの「攻略者」となりダンジョンを攻略していく。


ストレス発散と副業で始めた攻略者。

そんな軽い気持ちで始めた主人公が、周りに翻弄されながらも人として、攻略者として成長していく物語になる。

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