自分勝手の定義
焦狐
自分勝手の定義について
「お前って、結構自分勝手なんだな。」
先日、友人とも言えない曖昧な関係でできたバンドのメンバーの一人から言われた言葉だ。
確かに私はランチの誘いを断ったし、その理由もお金を使いたくないという冷たい理由だ。
しかし、私はこれに憤りを感じている。
彼のほうが普段よっぽど自分勝手ではないか。
「バンドを組んでめちゃくちゃ有名になってでぇっかいステージに立つ」というあまりにも計画性のない本当に夢で終わってしまうような茶番に、ある程度音楽経験を積み、音楽を職業にするために努力をしている私を付き合わせているのだ。
何よりも彼は最初、バンドの方向性の説明会の時、私が約2年間音楽活動で愛用していた名前をラーメンをおいしそうにすすりながらスマホを見て何も考えずただ、「変えようぜ!」といったのだ!なんとも腹立たしい!
少し話はそれるが読者諸君。「なんでこいつはバンドから抜けないんだ?」と疑問に思ったことだろう。これにはちょっとした、喉に引っかかっか魚の小骨のような理由がある。
このバンドは、私がいままで興味を示さなかった音楽を基準としているのだ。
つまり、私が好きな音楽と、彼らの好きな音楽が合わさったとき、このバンドは新しい音楽を生み出すんじゃないかと希望を見出しているのだ。
それゆえに、私はこのバンドを抜けられていない。
しかし、バンドを組んでいるならもうその可能性は検証済みでは?っと思った人もいるだろう。
実は私達は高校生なのである。楽器を買うお金などない。そのため、まだ楽器すら持っていないメンバーがいるのだ。それに、曲作り担当の人が全くもって曲を作ろうとしない。なのでギター担当の私は少し怒りを覚えながらただ待つしかなく、新しい音楽を生み出そうとすることすら出来ないのだ。
理由を説明したところで、話を戻そう。
タイトルにもある通り、この文章の話題は「自分勝手」である。
私は彼に自分勝手といわれた後、自分勝手という言葉の定義について考えた。
きっと、彼にとって自分勝手な人とは、
「自分にとって都合の悪い人」
なのだろう。
本来自分勝手というのは、
「他人の迷惑などかまわず自分の都合だけを考える態度」
のことを言うのだ。Googleが言っているのだから間違いない。
この二つは一見同じもののように見えるかもしれないが、違う。断じて。
本来の自分勝手とは、周りの環境や状況を顧みず、自分が嫌だから、自分がそうしたいから、という理由で迷惑行為に至ることを自分勝手というのだ。
例えば、人のご飯を自分が食べたいからという理由で勝手に奪ったり、開店前のパン屋に並んでいる列に割り込んだり。そういったことを自分勝手というのだ。
しかし彼の場合、お金がない、時間がない、連絡はラインで済ませてほしい、集合場所が遠い、別の予定がある等、いかなる納得できる理由があれど、彼にとっては都合が悪いため相手が自分勝手な人間だと決めてしまうのだ。
けれど、これは彼に限ったことではないはずだ。
確かに自分の誘いに乗らなかったり、提案を肯定されなかったりしたら相手を不快に思ってしまうのは当然のことだろう。そうなったとき、相手は自分にとってこちらのことを考えずに行動して自分を不快に思わせる、文字通り「自分勝手な人」になってしまうのである。
そう考えると私は少し彼に冷たくしすぎたかもしれない。
今後はもうちょっと彼に優しくして、バンドのことも真面目に考えてみよう。
それでもだめだったら彼とはもう関わらず、私を不快にさせた罪としてなかやまきんに君に彼の頭の上にパルメザンチーズをIt's my lifeに合わせてぶちまけてもらおう。
ヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
自分勝手の定義 焦狐 @sak_usika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
時をかける真凄み新作/クライングフリーマン
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ありもとのつぶやき日記最新/ありもと優
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 3話
心が折れそうになったときのプレイリスト最新/朽木桜斎
★27 エッセイ・ノンフィクション 連載中 176話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます