15分で書いたやつ

マグマだまり

ゴーレムの整体師、いわゆる人造人間整復師になるには、マグマだまりを見極める目を養う必要がある。ゴーレムの背中の殻を剥がして、肩甲骨の間に指を潜り込ませる。うまく探り当てることができると、ゴーレムがため息をつくはずだ。

マグマだまりにはもちろんマグマがたまっていて、それは冬場になると固くなって、ゴーレムの身体の動きが悪くなる。そこに活を入れてゴーレムの元気を取り戻させるのがゴーレム整体師の秘伝の技なのだ。

マグマだまりは薄い皮に包まれているので、刺激しすぎてはいけない。この間は新人が指圧の力加減を間違えて、噴火させ、ゴーレムの頭頂部が吹き飛んでしまった。

火力が上がりすぎたときは、整体に併設のサウナに運び、水をかけてやるとよい。卵を乗せておくと、半熟の温泉卵ができる。おいしいので名物になっている。

ゴーレムが震え始めたときには、手遅れなので、すべてを投げ出して一目散に逃げる必要がある。間違っても活断層に指を突っ込んではいけない。