明日には逮捕
例えば十字路の真ん中で
壊した亡骸を刻んでみる
関節を順に外しながら
使えなくなる刃物たち
そうじゃないの
そうだったんだから
襲う貴方が悪いんだ
赤が零れていく
黒が零れていく
それは目を見開いて
絶命していて
私はもう後悔しない
こいつが悪いから死んでいい
・
・
・
「手伝いましょうか」
刃の切っ先を向けた先
ただの青年が困った顔で私を見た
血だらけの地面と臓物と
ここにあるのは吸えた匂い
・
・
・
「ビニール袋もってきますね」
人影は近くのアパートに入ってく
古き漆黒の袋を持って
私の隣に座って臓物を入れていく
どうしてそんなことするの
・
・
・
「……」
「知っていたんです、この男」
青年は言う
付きまとわれていたと
「無視をしていた」
「すみません」
・
・
・
慰めにならない不甲斐なさ
・
・
・
何故、助けてくれないの
何故、怖がるの
何故、殺させるの
血反吐の喉
・
・
・
「あなたは酷い人だわ」
警察に電話をしても役に立たない
見届けるだけ
何度つかみかかれたか
相手はへなちょこで助かった
いつもいつも走って変える
・
・
・
いつ死ぬんだろう
今度は死ぬのか
明日は死んで笑われる
・
・
・
そんなのはイヤだ
負けるのはイヤだ
こいつは見てただけなんだって
殺した方がいいんじゃないの
・
・
・
「これが終わったら殺していいですよ」
思わずの言葉
崩れた笑顔
追い詰められた笑みこぼれ
あなたは血の味しりなさい
ぐちゃぐちゃの臓物を
目の前に掲げて青年に渡す
そしたら彼は口にしない
大嫌いだ、こんな世の中
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