第5話

僕はクロをリュックに入れ原付で家から一時間の大きな冒険者ギルドに到着した。


「相変わらずでかいな〜」

「ピュウウ?」

「こら、まだ出たらダメだろ」


僕は冒険者ギルドの近くにある駐車場で原付を一時間二百円の場所に止め、デカイ冒険者ギルドを眺めていると、クロがリュックから出たがったので、クロに注意すると大人しくしてくれた。


僕は大きな自動ドアを通り、受付の場所に向かった。


「今日はどういったご用件できましたか?」

「テイムのライセンスを取りにきました。」

「テイム....ですか」

「はい、ダメですか?」

「ダメというわけではないんですが....」


冒険者ギルドの受付は人型アンドロイドではなく正真正銘の女性である。

女性の受付の人にテイムのライセンスを取りに来たというと変な間があった。


それもそうだろう、テイムのライセンスが冒険者ギルドに認められたのが100人居るかどうか位かの難しく、テイムのライセンスを取っているほとんどの人が、A〜S級冒険者、僕みたいな底辺の冒険者はまず無理だと思われているのだろう....


テイムのライセンスの条件が魔物が主人の言うことをどのくらい聞くかで判断されらしい。


「では、こちらで審査するので少々お待ちください」


っと言われ、個室へと案内され僕一人残され少し待たされた。

すると、さっきまで僕の受付をしてくれた人ともう一人、右目が緑色で3本線の傷がある大男が入り僕の真正面に座った。


「君が魔物のテイムライセンスが欲しいと言う君は...」

「浅沼です。」

「そうか浅沼、浅沼はどんな魔物をテイムしたんだ」


っと僕と話終わると大男は立ち上がった。

普通、魔物をテイムしたいのが大抵が大型の魔物、テイムする方法が二つあり、力で屈服させ主人と認めさせるか、ごくごく稀にダンジョンで発見される魔物の言うことを聞かせる隷属の首輪と言う道具を装備させるかである。


僕はどちらにも当てはまらない。


「あ、あの、僕の魔物はここにいますよ」


僕は大男が立ち上がったので僕は咄嗟にテイム魔物が居るといった。

すると、大男はスッと座った。


「で、魔物はどこにいるんだ」


っと、なぜか急かしてくるのでリュックにを開け、クロを見せた。


「この子です」


すると、大男は笑い始めた。


「ハッハハ、どんな恐ろしい魔物かと思ったらちっこいトカゲじゃねえか、ほんとに魔物かこいつは」

「本物ですよ、実際に魔石を食べますから」

「ほお〜」


っと、僕のクロを大男はじっと見ていた。

なぜか受付の女性はクロのことをじっと見て、触りたそうにチラチラとクロを見ていた。


「こいつは、どうやっても人間には多分脅威にはならねえし、こいつはお前に懐いているからテイムの証の首輪を持ってきな」


受付の人は手に持っていたテイムの証の首輪を大男の手に渡し、大男がクロにテイムの証を首につけてくれた。


「これで、お前もテイマーだ」

「ありがとうございます」


と、言い大男は僕がいる部屋からどこかにいった。


すると、大男が出て行ったあと受付の人は僕の方にやってきた。


「あ、あの、私にその....クロちゃんを触らしてもらえないでしょうか」

「良いですよ」


と、僕は受付の女性が触りたがっていたのが分かっていたので、即許可をした。


クロはゴツゴツしているが冷たくツルツルしており、触り心地はサイコーである。


「サイコーです〜」


っと、受付の人は喜んでいたが、何か話さなくてはいけないと言う先入観に駆られ僕は、なぜ大男強そうな人がいたの聞こうとした。


「あの〜質問良いですか」

「なんですか」

「どうして、強そうな大男を連れてきたんですか?」

「それはね、テイムって言っても一時的に主人と認めた魔物が多いの」

「一時的?」

「そう、一時的、テイムってね本当は信頼関係があるのが本当のテイムなの、道具を使ってテイムするのもあるけどあれは金持ちか外道がすることなんだけどね」

「へえ〜」

「あの人は、ここのギルドマスターのゲイルさんなの、魔物の情報が見ただけでわかるらしいのよ」

「特殊なんですね」

「そう、ダンジョンで昔受けた傷がきっかけらしいのよ、まだダンジョンのことは解明されていない不思議が多い場所だからね」

「へえ〜ありがとうございます。え、えっと〜」

「私の名前はエリ。これからもよろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします」


クロはエリさんに触られ、嫌ではなさそうであるが....長い.....


「うん〜可愛い〜こんな小さな魔物私も欲しい〜」

「そうですか〜あの、エリさんそれよりクロを返してくれませんかね....」

「あと、十分」


っと言っているが。「あと十分」を連呼されかれこれ2時間経過している。

流石にダンジョンに行く時間がなくなり暗くなりそうなので早く帰りたいが、なかなか返してくれない。


すると、なかなか帰ってこないエリさんを見て、先程の大男のゲイルさんが鬼の形相ぎょうそうで受付の女性、エリさんを睨んでいた


「エリ〜」

「うぎゃあ」

「仕事サボるとは良い度胸してるね〜」

「ひい!!今すぐ仕事します!!浅野くんクロくんありがとうじゃあね!!あと、これクロくんのテイムライセンスカードね」


と言ってクロを僕に返してくれて、よっぽど怖く慌てて部屋から出ようとしたのか足を滑らせ、扉のドアをあけ飛び出て行った。


「すみません」


っと、見た目からは考えられない礼儀正しく僕を見送ってくれた。


「なあクロ、今日は色々あって遅くなったから今日はダンジョンに行けないや」

「ピェエエ〜」


と、驚きの声を出し原付に乗り 一時間かけ家に帰った。

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