役割と使命 終わりと始まり

鳳仙 時雨

第1話 小さな幸せの種

古代西方大陸から始まったお祭りは時代に埋もれて


発掘した者の願いも乗せて、再構築されてしまう。



古代 ゼルベリヤ大陸 

旧教会園 メルロ区 



アルド達がメルロ区に立ち寄ると 慌ただしく準備をする人々。

メリナとチルリルはその様子を 期待と失望を抱えて見守っていた。



慌ただしく動き回る人: ちょっと兄ちゃん そこどいてくれー。

 

アルド: 今日はどうしたんだ。 大人から子供まで走りまわっているけど・・・。

     何か始まるのか?


チルリル: 今日からお祭りが始まるのだわ。


アルド: お祭り? 


メリナ: この時期に行なわれる バレヌ祭というお祭りよ。

     その準備のために 大人も子供も駆り出せされてるのよ。


アルド: お祭りって聞くと楽しそうな感じなのに どうしてメリナは 

     複雑そうな顔をしてるんだ。


メリナ: ・・・・・・・。


ロゼッタ: このお祭りはですね。 普段倹約して 質素に暮らすことで 教会を

      支えていらっしゃる皆様が 祭りの日だけ 日々の生活を忘れて

      楽しく 過ごす日なんです。


チルリル: みんなで集まって 歌って踊って 朝まで語り明かすのだわ。


アルド: ? やっぱり楽しそうなお祭りに聞こえるけど・・・。


メリナ: この大陸には 恵が大量にあるわけではないわ。

     教会からの補給物資だって 日々の生活を送るだけの量で

     限界・・・ 。


チルリル: メリナ・・・。



メリナ: このお祭りの贅沢なんて 取っておいた新しい服を下すとかで

     お腹いっぱいご飯が 食べれるわけじゃない・・・。


メリナ: 悪いのは私たちが 内なる大海に 隠れてしまった神を 

     見つけられないから。 いつも頑張って もらってるのに

     特別な日でも 贅沢させて あげられない・・・。


チルリル: 確かにそうなのだわ。 チルリルがもっと頑張って 

      主を見けていれば みんな幸せな暮らしができていたのだわ・・・。


アルド: メリナは 不甲斐ない自分を 思って 難しい顔してたのか・・・。

     だったら 少しでも お祭りで みんなが喜べるように 手伝いにいかないか?


プライ: そうですぞーお二方! そのような暗い顔をされていては 皆が不安に

     なってしまいます。アルド殿の言う通り 手伝いに行きましょう。


チルリル: プライに励まされるなんて 上官として 恥ずかしいのだわ。

      さっそくお手伝いにいくのだわ!


メリナ: そうね 今私にできることを しましょう。

     

ロゼッタ: ふふふ♪ そうですね。 では行きましょうか。


Quest accepted


「祭りの準備で困っている人がいないか 探してお手伝いをしよう。」


困っている人達: みんなで集まる広場に置くための椅子の材料が足りないな。


チルリル: 困っているのだわ!

      それならチルリルが取ってきてあげるのだわ。


困っている人達: メリナ様!チルリル様! 二人のお手を煩わせるなんて!

         材料がとれる場所には魔物もでますし。


メリナ: それなら私たちに任せておきなさい。 

     私たちなら魔物が出ても対処できるし。

     どこに行けばいいの?


困っている人: シャスラ結晶地帯に 生えている木を 何本か切ってきて 

        ほしいのですが・・・。


チルリル: 早速いくのだわ。 みんなはお祭りの準備を進めているのだわ。









シャスラ結晶地帯


木のキラキラアイコンを探索後


メリナ: これぐらいあれば 足りるわね。


チルリル: メリナ後ろなのだわ! 


アルド: 木の陰から魔物が! 戦うぞ!


Battle 魔物


旧教会園 メルロ区


困っている人達: ありがとうございます。 これで祭りに必要な椅子を

         作ることができます。


チルリル: ふふふ どういたしましてなのだわ。

      チルリルにかかれば これぐらい簡単なお仕事なのだわ♪ 

      

アルド: ところでバレヌ祭の バレヌってなんなんだ?


メリナ: 昔いた司教の名前よ。 私たちの役割は 本来 内なる大海に隠れた神を探して

     この大陸に恵を戻すこと。


メリナ: 昔いたそのバレヌ司教って人は 少し変わってて 今生きる人たちを

     第一に考えて救済するべきって唱え始めたの。


ロゼッタ: 面白い考え方ですねー ぜひ狭い部屋で

      二人っきりでお話を伺いたかったですわ 

      うふふふ♪


チルリル: ビクっ!!他人ごとなのに背筋に嫌なものを感じるなのだわ・・・。


メリナ: 神を見つけることを諦めて 食料や衣服など 生活に必要なものを

     集めるために海を渡って 活動をしていたらしいわ。


メリナ: そして教会の考え方と 道を違えたバレヌは 教会から要請された

     魔物退治の途中で命を落とすことになる・・・・。


メリナ: お世話になっていた地域の人々はバレヌの死を 

     悲しみ、バレヌのために祈りを捧げる人々が

     集まったのが 始まりと言われているわ。




チルリル: そんな過去があったとは・・・。

      知らなかったのだわ!

      なんかみんな集まって楽しそうって思っていたのだわ!


メリナ: ・・・・・・。



チルリル: ・・・さぁーってほかに困っている人がいないか探すのだわ。

      プライ!さっさとしないと置いていくのだわーーーー!!


プライ: お・お待ちをー チルリル殿ー。


アルド: すごい人がいたんだな。


メリナ: すごいかどうかは 私にはわからないわ。

     私は神を諦めるわけにはいかない。 

     期待して待っていてくれる人達がいて

     翼を持つ者の生まれ変わりとしての使命があるから。


ロゼッタ: そうですね。人々のために頑張ったというのは褒められること

      なのでしょうが バレヌ司教の行ないは神を否定し、

      教会への信仰を落とす可能性がありましたからね。



アルド: メリナ達は大変な試練に挑んでいるんだな。

     何か協力できることがあれば言ってくれよな。

     

メリナ: ありがとうアルド。

     絶対神見つけて、救ってみせるわ。 

     この人たちの笑顔を守るために・・・・。


「引き続き 困っている人がいないか 探してみよう」


困っている人: まったくないのか。 そうか・・・。


困っている人2: どういたしましょう・・・。


メリナ: 何かあったの?


困っている人: メリナ様チルリル様 それがですね・・・。

        お祭りで配る 予定だった食料が 

        町の全員分は足りない状態でして。


メリナ: 配給が届いてないのね・・・・。

     恵みはどんどん減っていく・・・。

     ごめんなさいね・・・。


チルリル: (落ち込んでるメリナなんて見たくないのだわ)

       せっかくのお祭りなのに 悲しい顔なんかさせないのだわ!!


メリナ: そうね・・・。

     バレヌのようにとはいかないけど 私のやれることを

     やっていきましょう。

     ただ、食料の確保は西方では困難を極めるわ・・・。

     特に多くな量となると・・・さらに・・・。



アルド: そうだな。 ほかの大陸に行って 

     合成鬼竜に運んでもらうのはどうかな。


チルリル: それがいいのだわ!さっそく行くのだわ!


メリナ: 町の人の分となると 結構の量が必要になるけど あてはあるのかしら。


アルド: あてはない! とりあえずユニガンに行って 商人に話をしてみようか。



ミグレイナ大陸 王都 ユニガン

「ユニガンで 食料を譲ってくれそうな人を探そう」


商人: なんだい。 今用が立て込んでいて 買い物なら あとにしてくれないか。


アルド: なにかあったのか? 食べ物を買いにきたんだが・・・。


チルリル: そうなのだわ! いっぱい必要だから 売ってくれないと困るのだわ。


商人: そんな量の食料をなんで必要なんだ? 

    結構な金額になるけど 持っているのか?


チルリル: まったくもっていなのだわ!!!


商人: !!? 冷やかしなら帰ってくれ! こっちは今 忙しいだ!

    ただでさえ緊急事態なのに冷やかしの客の相手なんかしてられるか・・・。

    ぶつぶつ・・・。


チルリル: お祭りに必要なんだわ! なにか困っているようだし 手伝うから

      食料を譲ってほしいのだわ。


商人: ・・・・・・。豪快なお姉ちゃんだな。

    そうか なら私のお願いを 聞いてくれたら 食料を譲ろうではないか。


アルド: ほんとか!? 助かるよ。


商人: そう簡単な話ではないのだよ。 実は貴族に納品予定だった 

    古代の生物の角の剥製が ユニガンに運ぶ途中で壊れてしまってね。

    大変貴重なもので すぐに代わりのものを

    準備できなくて困っているのだよ。


チルリル: 壊れたものを見せてもらってもいいかしらなのだわ。


メリナ: これはティーレックスの角ね。 ヴァシュー山岳に生息してる。


アルド: それなら倒して 準備できそうだな。

     俺たちにその準備まかせてもらっていいか?


商人: もちろんだよ。 これが貴族に届けられないと うちはユニガンでこのさき

    営業できなくなってしまうかもしれないからね。


チルリル: どーーーんと任せておくのだわ!!

      恐竜ぐらいなら 簡単に倒せるのだわ!


メリナ: さっそくいきましょう。


古代 ミグレイナ大陸 ヴァシュー山岳

「商人が欲している角を持つ 魔物を探して 角を採取しよう」


メリナ: このあたりで見かけたって村の人が言っていたわね。

     足跡があるわ! 後を追ってみましょう。


チルリル: いた! 大きいなのだわ!! 

      これは立派な角が 手に入りそうなのだわ!


プライ: これは気合がはいりますぞ。


ロゼッタ: ごめんなさいね。 大人しくやられてください。 ふふふ♪


メリナ: 行くわよ!


Battle  ティーレックス


メリナ: 無事 角は回収できたようね。 ユニガンの商人に届ければ

     お祭りに必要な 食料は確保できそうね。


チルリル: さすがチルリルなのだわ!! 

      すべて作戦通りなのだわ~!


メリナ: ・・・・・・。


アルド: ユニガンに戻ろうか。


現代 ゼルベリヤ大陸 王都 ユニガン 


商人: おおお!! ほんとに角を持ってくるとは!

    しかも 前のより 大きくて立派じゃないか。

    これならあの貴族も大満足だろう。


アルド: そうか ならよかった。 食料の件よろしく頼むな。


商人: 任せておけ! 納品してくるから 後で話を聞かせてくれ。

    全力で協力させてもらうぞ。


チルリル: チルリルにかかければこんなものなのだわ!



商人: あっはっは ほんとにすごいお姉ちゃんだな。

    しばらくここで待っていてくれ。



メリナ: ふー・・・良かった。

     これでみんな笑顔でお祭りを迎えられるわね。


チルリル: 良かったなのだわ。お手伝いで食料が手に入って。

      チルリルの財布にはドングリしか 入ってないのだわ・・・。




商人: 待たせたなー あっはっはっは。

    届けたものがあまりにも立派だったから

    貴族が驚いて 約束の金額より 多めにもらえたよ。


アルド: それはよかったじゃないか。


商人:それではお姉ちゃん達の話を聞こうじゃないか。

   お祭りがどうとか 言っていたが。



チルリル: そうなのだわ!西の大陸でやる祭りなのだわ!

      カクカクシカジカなのだわ!


商人: ほぇ 西の大陸にそんな祭りがねー。

    いい話を聞かせてもらったよ。 こっちの大陸でも 

    そんな祭りができるといいな。


チルリル: それはいいことなのだわ!

      ぜひこっちの大陸にも知ってもらいたいのだわ!


商人: お姉ちゃん達には助けられたし 企画してみようかな。

    人々を助ける偉人を讃えるお祭りか。


ロゼッタ: ・・・。

      チルリルさん あとでお話があります♪


チルリル: しまったなのだわーーーー!!!

      別に教会の教えに背いたつもりはないのだわーー!

      一旦逃げるのだわーーー。


商人: ・・・・あのお嬢ちゃん確か チルリルって名乗っていたな。



Quest clear

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