牙チョコ②

部室で引き続き先輩と共に牙チョコを食べていると先輩が「あ」と小さいけれど嬉しそうな声をあげた。

「当たった!」

「何がですか?」

「本物の牙!」

どうやら100個に1個の割合で入っているという本物の牙が当たったらしい。

「それって喜ぶことなんですか?」

「うん、喜ぶことだよ!牙が当たったらその牙を郵送すると新品の牙チョコが10袋分送られてくるんだよ!」

「なんか不良品のお詫びみたいですね……」


牙チョコの謎の当たりシステムに困惑しているとふと気づいた。

「待ってください、牙チョコって1袋に何個くらい入ってるんですか?」

「えーっと……内容量はグラム表記だから正確には分からないけどだいたい20個くらいかな」

20個入りが10袋送られてきてその中から100個に1個の確率で当たりが入ってるってことは……。

「ずっと牙チョコ食べられますね……」

先輩は首を傾げていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る