こだわり強めのパン屋さん
とある山奥のパン屋さんにこだわりの強いパン屋の店主がいた。店主とアルバイトの2人態勢と少人数で店を経営しているのだが、味にはかなり定評があった。一度来た客からは「あんなに美味しいパンは食べたことがない」と言われるし、口コミサイトでもパンを買った客からは「また食べたい!」「世界一美味しい!」などとかなり高い評価をもらえている。だが、このパン屋さんには問題があった。それはどれだけパンの味に高評価をもらえても、一向に儲からないということである。
「なあ、やっぱりうちの店、食パンだけしか作らないってよくねえのかな?」
店主が嘆いた。やはり儲からないことは店を運営していくうえで最大の問題なのだ。
「いえ、食パン専門店なんてものは都会でも結構人気があるので、うちが儲からない原因はそこじゃないと思いますよ」
「じゃあどこが問題なんだよ?」
「多分こだわりが強すぎるところじゃないですかね」
「こだわりが強いことの何が悪いんだよ! 俺は美味しく食べてもらいたくて、丁寧に心を込めて真剣に作ってるんだよ!」
「ええ、それは良いことなんです。でも作業が丁寧すぎて、一日に1斤しか作れないからどれだけ頑張っても300円以上の売り上げにならないことは問題だと思いますよ……」
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