お題はひとつ

黄黒真直

ヨーグルト

「ほー……」加藤はスマホを見ながら感心していた。「ヨーグルトの表面に浮いてる液体、名前がついてるのか」


人は、面白いことを知ったら、誰かに話したくなるものである。加藤もそうだった。


ちょうど、友人の大沼が来たので、言ってみた。


加藤「大沼、ホエイって知ってる?」


大沼(ホエ……なんだって? ああ、ホエールかな。急にクジラの話してどうしたんだ)


大沼「ああ、知ってるよ」


加藤(なーんだ、知ってるのか。さすが物知りだな)


加藤「あれってさ、タンパク質たっぷりなんだってな」


大沼(そりゃ動物だからな)「うんうん。なかなか食べる機会ないけどな」


加藤「え、食べないの?」


大沼「お前食ったことあるの!?」


加藤「毎朝食ってるよ」


大沼「毎朝!? どんなリッチな生活してんのお前!?」


加藤「どんな!? お前こそどんな極貧生活だよ、毎朝飲めるわ!」


大沼「飲むぅ!?!?!? どの部分のこと言ってるの!?」


加藤「そりゃ、上に出てくる液体の部分だよ」


大沼「潮じゃねえか!!」


加藤「あれ塩なの!?!? 全然しょっぱくないけど!?」


大沼「お前の味覚どうなってんだ!!」

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