第4話前祝い
「とりあえず無事に試験を終えられて良かったです」
千鶴はほっとした表情でそう言った。
千鶴達が車の方に向かって歩いていると。
「誰かその2人を捕まえて、泥棒よ!」
「そこをどけーーー!!!」
2人はそういいながらナイフを構えて樹達を誘おうとしたが!
樹は余裕の表情でナイフを避けて相手の手首に向かってチョップをした。
「行って!」
相手はそう言いながらナイフを地面に落とした。
そして千鶴も相手のナイフを余裕の表情で避けて手首を掴んで軽く投げ飛ばした。
すると周りからおお!という驚きの声とともに拍手が聞こえてきた。
しばらくすると、目の前から早歩きでお店の店員さんらしき人が千鶴達の方に向かって歩いてきた。
「あの泥棒を捕まえてくれてありがとうございました」
「怪我はしていませんか?」
「ええ俺は全然大丈夫ですよ」
「それに、妹にも怪我はなかったみたいですしね」
「それじゃあ、俺達はこれで」
樹はそういった後、再び車の方へと向かった。
「お帰りなさいませ千鶴様樹様」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
樹達はベルモンド にそう言って車に乗った。
「さっきはああやって言ってしまったが千鶴怪我はないか?」
「はい、なんともありませんお兄様」
「千鶴様お怪我されたんですか!」
ベルモンドは少し驚いた目線を千鶴の方に向けながらそう言った。
「本当になんともありませんから、安心してください」
千鶴がそう言うとベルモンドはほっとした表情で車を走らせた。
「それで千鶴様試験の方はどうでしたか?」
「まぁなんとかできました」
「外に出た俺には先生の驚きの叫び声がいっぱい聞こえてきたけどな」
「それはそれはさぞかし優秀な成績だったんでしょうなぁ」
「だから今日はお祝いをしなくちゃなぁ」
「それはお兄様、まだ早すぎますよ」
千鶴は少し照れくさそうに言った。
10分後。
「着きました」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
樹達はベルモンドにそう言って家の中へと入っていった。
そして千鶴は自分の部屋へと入っていった。
樹はアーロンドを探していた。
「あっ!いたいたアーロンド」
「はいなんでしょうか?樹様」
「今日の夜ご飯のことなんだが」
「何か変更いたしますか?」
そういうと樹がアーロンドの耳に向かって言った。
「分かりました。必ず良いものにしてみせます」
そして、しばらくして。
「皆さん、夜ご飯ですよ」
アーロンドがそういうとみんながテーブルの前に集まってきた。
千鶴は驚いた顔で一瞬止まっていた。
テーブルの上には手巻き寿司やローストビーフ、サラダなどたくさんのご馳走が並べられていた。
「あのお兄様これは!」
「アーロンドが千鶴の前祝いのために一生懸命作ってくれたんだ」
「ありがとうございますアーロンドさん」
千鶴は頭を下げながらそう言った。
「安心してくれ千鶴入学祝いは入学祝いでちゃんとやるから」
「それと、今日のお祝いは他のお祝いも兼ねてるんだ」
「他のお祝いですか?」
「そうだ、千鶴がこの家に勇気を出して来てくれたっていうお祝いだ」
「皆さん、本当にありがとうございますあたくしを受け入れてくれて!」
千鶴は嬉し涙を流しながらそう言った。あた。
ここに来る前の鶫様の家にいた頃のあたくしはまるで鳥かごに囚われた鳥のようだった。
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