1章 旅立ち

第1話 送る場所間違えてない?

いやいや、準備できてるとは言ったけどまさか森の中に投げ出されるとは思わないじゃん?


「聞こえとるかぁ〜スマンが転移に失敗したようじゃ。とりあえずアイテム袋の中にこの世界の地図を入れといたから見てくれるか」


頭の中に神様の声がする


「転移の失敗についてもう少し詳しく聞きたいんですけど…」

「地図を見てくれるか」


話を逸らす気だな。まぁ過ぎたことを言っても仕方ないしなぁ。よし。俺はアイテム袋から地図を取り出すことにする。


「地図の右の方に死の森って所があるじゃろ?そこが今君がいる場所じゃ。」

「なるほど…で、近くに町とか村とかはあるんですか?」

「ここから数千キロ先にあるのぅ」

「どうやっていけばいいんですか?」

「大体の場所は分かるんじゃが、細かくは分からんのじゃ。」

「え?」


皆は地図を使えばいいじゃんって思うかもしれない。けどさこの地図、世界地図なんだよ!死の森にいることしか分かんねぇよ。まず方角すら分かってないのに、国まで辿り着けると思う?無理だよね。


「すまんがわしは仕事が出来たので失礼するゾ」

「え?ちょっと待っt」


ブチッ。今確かに電話が切れるような音が…ってことは1人でこの状況どうにかしないとなのかよ。まじかよ…





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しばらく悩んで思ったことがある。もしかしたら生成と構築のスキルでどうにかなるんじゃないか。そう思って、木の樹皮を必死に剥いでいた。木の樹皮を使って「生成」で地図を作ろうとした。でもよく考えればインクが無いと作れないよね。でも待てよ?別にインクである必要は無いんじゃないか?周りに生えている草の液を絞ればインク代わりになるかもしれない。



作業中…



よし。このくらい液があれば十分だろう。で、どうやってスキルって使うの?神様に大事なこと聞くの忘れた。まぁこういうのは大体詠唱で発動するよな?


「生成」


おぉー!色は汚い色だけど地図が出来た。これで2つの地図をGETできた。さてと、ここからが正念場だ。今生成したこの地図を手に取る。


「構築」


おぉ成功だ!何をしたかって?ふふふ、俺は構築を使って、世界地図から死の森の部分を対象とした地図へ変えたのだ。これで死の森を出ることが出来るぞ〜!


「にしてもすごいな、構築!これってチートスキル並みじゃね?」


よく考えて欲しい。世界地図から死の森の地図に変えられるということは俺が知らない情報があっても変更が可能なのだ。俺は死の森という土地を知らない。世界地図にもそこまでは詳しく記されてない。しかし、死の森の地図は作ることが出来るのだ。


「とりあえず今日はどこか岩陰で休むか」


異世界に来てから魔物と遭遇していないから分からないがもしかしたら魔物なんかも出るかもしれないな。


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