そんなのってありかよ! ~クリエイターの異世界生活〜

ルイガイル

0章 神様

第1話 神様

「ふはぁ〜」


間抜けた声で伸びをしているのがこの俺、上野陽太である。昼休みはいつも屋上で寝ている。こうして空を見ながら伸びをするのが気持ちいいんだよなぁ〜


「ってここどこだよ!」


いやいやおかしい。確かに屋上で寝てたはずなのに、ここは明らかに部屋の中じゃないか。ってかここは部屋なのか。サッと見た感じ真っ白な空間がどこまでも続いてるようにも見える。


「まぁこういう時はとりあえずGPSで位置確認に尽きるよな」


俺はそう思いポケットの中のスマホを取りだした。


「嘘だろ…圏外じゃねぇか!」


いやいやまずいまずい。圏外ってことは山の奥だったり深海だったりしちゃうの。俺誘拐されちゃったの?俺の住んでる地区って結構回線良かったんだけどなぁ。絶対学校の近くじゃないじゃん!怖ぇよ!この状況まじヤバいやつじゃない。しかもさっきから誰もいないのに変な声聞こえてくるし。


「ぉ………か」


丘?ここは丘なのか!いやどこの丘だよ。ってかどこから聞こえてんだろ?この声…


「おーい!聞こえとるかぁ〜」


ん?たしかに今、俺に問いかけてたよな?良かった。近くに人がいたんだ。助けに来てくれたのかな。


「聞こえてまーす」

「おぉーようやく通じたわぃ。すぐに着くから少し待っといてくれ」


すぐに着く?助けに来てくれるってことかな?とりあえず助けが来るなら待ってるに超したことは無いな。


「分かりましt」

「ほい、着いたっと」


いや、早すぎるでしょぉぉぉ!今のどこに待つ時間があったんだよ!





_________________________________________






「初めましてわしゃ神じゃ」


俺は知ってる。こういう人への対処の方法を。悟りを開いた顔で微笑むんだ。

おばぁちゃんのような優しさで接してあげるのだ。これは重度の厨二病だ。ここまで酷いのは久々に見た。だって目の前にいるの老人だもん。いや、ねっ、こういうのって中学生か高校生で卒業するもんじゃないの?年寄りになってまで厨二病を貫くとは俺はもう貴方を賢者だと敬うまであるぞ。


「わしゃ厨二病でも賢者でもない。神じゃ!君の心は丸分かりじゃ。神だからな」


なんと俺の心を正確に呼んだだと…ここまで完璧に心読み取られたら信じるしかないな…

この老人はマジシャンだ!


「だから神じゃ!というか普通に喋ってくれると助かるのじゃが…」


お笑い芸人のツッコミ担当の可能性もでてきたな…


「もう何でもえぇわい。大切な要件を伝えるとしよう。」


大切な要件?M〇に優勝したとかかな〜


「君には異世界に行ってもらう!」


ウンウン異世界ね!異世界かぁ〜異世界…


「嘘だろ…」


本当に神様だったぁーー!!異世界に転生させられるのなんて神様しかいないじゃん。しかもよく見ると神々しいオーラめっちゃ出てるじゃん。ほんと色々言ってごめんなさい…


「ようやく神だと信じてくれたか…それでじゃが君には異世界に行ってもらいたいと思うのだg…」

「ちょっと待ってください。俺は死んでしまったのでしょうか?俺の記憶が正しければ俺は学校の屋上にいたはずなのですが…」

「残念ながら死んでしまったのう。死因聞きたいか?あまり勧めはしないが…」


そんなに酷い死に方をしたのか…友達に殺されたりとか先生に殺されたりしたのかな。でもやっぱりはっきりさせておきたい。


「教えてください…」

「君の死因は……大雨による窒息死じゃ」

「…もう一度お願いします」

「大雨による窒息死じゃ」


くそだせぇぇぇー 嘘でしょ?俺雨で死んだの?あっ…でも大雨で川が氾濫して街が水に飲み込まれて窒息したとかなら有り得るな。


「いや、君以外は無事じゃ。君が屋上で寝た後少しして雨が降り始めてのぅ。仰向けで寝てた君は雨のせいで息が出来なくて死んでしまったんじゃ」


いや、起きろよ。俺!確かに午前中の授業で疲れてたけど。そんなに爆睡するもんかね


「恥ずかしいのでもう早く異世界に行きたいです…」

「まぁそのドンマイじゃ!さてと、君には異世界にあたって色々な恩恵を与えたいと思う」


恩恵来たァァーーー



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る