無題
太一
第1話
「はぁ…」
私は、なぜあのようなことを言ってしまったのだろうか。
ポツポツ─────サァー───
私の気持ちを表してでもいるのか雨が降り出す。
はぁ…まただ体がふらつく…
力が入らない。
今になって薬を飲み忘れたことを思い出す。
そのまま私の意識は、暗転した。
────────────────────
ここは…何処だ?
私は、死んだのでは、ないのか?
なんだか私は、水の中にいるような浮いているようなそんな不思議な感じがする空間の中にいるようだ。
ふむ、何やら声も聞こえる。
心地よい揺れも感じる。
やはり死んだのではないのか…
でも、液体の中なんて…まさかね。
だが、声と振動からしてそれしかありえないのか。
やっぱり「転生」が、一番有力か。
だとしても母の母体から聴こえる声に、日本語は混じっていない。
はぁ、また1から言語を覚えなくてはいけないのか…いくら幼児の記憶能力にしても……
いや、いけるいけないの問題ではないな。
やらなければならぬか。
先程から聴いていると、きょうだいが、いるようだな、私には、兄と姉がいるのか?
まあ、どちらでもよいがな。
ん?母体が、苦しんでいるような気がするな
そろそろ私が、生まれるということか。
くっ…押し出される。
────────────────────
はぁ、一段落したか。
生まれたにあたって私がすることは、二つあるだろう。
一つ 世界の把握
二つ 文字の習得
これぐらいかな。
まあ、あとは追々きめていけばよいでしょうからね。
はあ、体に引っ張られるのか。
口調がおかしい、まあ当たり前か私のからだでは、ないのだから。
と、まあこんなことを延々と考えていても変わらない。
なるようになるさ…。
前世でもそうして私は、生きてきた。
こうして後世に
と、呼ばれる
が生まれ落ちた。
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